昨日はパラグアイ初の衛星が打ち上げられた記念すべき日となりました。
グアラニサットと名付けられたこの衛星、打ち上げロケットは米国NASAのモノですが、衛星ユニットは日本の九州工業大学の協力を得て製造された一辺約10㎝の小型立方体。これを使って南米諸国で問題となっているサシガメ由来の伝声病であるシャーガス病の対策に必要なデータ収集を行うそうです。
南米ではベネズエラで2008年に初の衛星を中国の協力を得て打ち上げており、それより十年以上経っているものの、日本の協力によって実現したこの衛星がパラグアイのみならず南米諸国の生活改善に寄与することを期待されます。
今週日本では30年ぶりに株価が3万円を超えましたが、為替レートは105円/$前後のもみあい状態となっています。
一方、年末にGs.7000/$と最安値を付けたパラグアイの通貨Guaraniですが、年が明けると反転して、ロケットで打ち上げられた衛星同様に現在Gs.6600/$程度まで値を戻すグアラニ高の展開となっています。
合衆国の政権が共和党から民主党に替わり、ドル安の展開が予想されていたので、当然の成り行きとの観方もありますが、ブラジル・レアルやアルゼンチン・ペソの相場はさほど変わっていないので、パラグアイ独自の動きと言えます。
ブラジル・レアルとパラグアイ・グアラニの関係は、過去10年間で大幅なグアラニ高になっており、相対的に安価な労働力を売り物に、加工貿易制度マキラドーラを積極的に推進してきたパラグアイ政府にとっては、痛し痒しといった展開と言えます。
アルゼンチン・ペソも持続的値下がり展開。
従ってパラグアイ通貨は周辺国の中では相対的に強いグアラニといったイメージになり、輸出競争力ではこれまで以上に強さを見せる必要に迫られています。
しかし、パラグアイ通貨が強い背景には、パラグアイの主要輸出品目である大豆の相場が急騰していることと強く関係しています。
大豆の収穫期を迎えた今、悪天候による作柄不良といった事情はあるものの、ドル建てで販売された大豆の販売代金をグアラニに換金する需要が発生しているので、生じているグアラニ高というのが実態。勿論、より多くの大豆を生産しているブラジルやアルゼンチンでも同じ効果はあるものの、総輸出額に占める大豆の比率が圧倒的に高いパラグアイならではの特殊効果とも言えるわけです。
しかし、無事に打ち上げられた衛星同様に、これからはパラグアイ経済も順調な周回軌道に乗って益々繁栄することが期待されますので引き続きご注目ください。
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