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ベネズエラの言葉 Cancerigeno(カンセリーヘノ)=発癌性の  英:Cancinogenic

  • 執筆者の写真: Kaz Suzurida
    Kaz Suzurida
  • 2011年7月2日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年1月10日

2011年7月2日

最近の日本語における流行(?)でComing-outという言い方をよく見かけますが、今回のチャベス大統領の発表は、正にカミングアウトと言えるものであったように思います。


木曜日(6月30日)の夜9時に突然テレビ放送が中継に切り替わり(こういうことはベネズエラでは日常茶飯事)、チャベス大統領が登場。

丁度お客さんと会食の最中にレストランのテレビで観たので、音声は聞こえなかったのですが、先ず久々にテレビに登場した大統領の顔が痩せていることに皆で驚いたものの、会見が出来るようになるほど回復したのだ、というようなことを話しました。


しかし、その直後に同席していた地元の人達の携帯電話が鳴り出し、「癌の告白をしたようだ」ということが伝わり、暫し沈黙が流れました。

出張先のホテルの部屋に帰ってテレビをつけると、副大統領たちが顔を揃えて会見を開いており、皆沈痛な表情で映っていました。


金曜日の新聞の見出しは各紙揃って「Presidente Chávez informó que fue extirpado tumor cancerígeno (チャベス大統領は癌性腫瘍を摘出したと発表)」というもので、これまで巷で噂されていた癌の可能性を本人が肯定したという点で、国民の多くは少なからずショックを受けたと言えますが、反対派の流すネガティブな情報を否定せず、自らの健康に対する不安を吐露しつつ、国民を鼓舞するメッセージは'92年のクーデター失敗を詫びる会見を彷彿とさせる部分もあり、大統領派の大衆のチャベス氏に対する信奉は寧ろゆるぎないものになったのでは?と感じました。(痩せた大統領の顔は、病後だけに昔の精悍なイメージは無いものの、最近の裕福なイメージを払拭したとも言えます。)

ただ、会見の再放送を見ると、大統領は珍しく用意された原稿を読み上げる形でコメントを発しており(普段も原稿はあるものの、アドリブの方が圧倒的に多い)、また当然ながら声に全く力が無く、完全に快復するまでにはもう少し時間が掛かるだろう、と思わせる内容でした。


また、ひたすらキューバ政府はじめキューバ医療陣に対する感謝と信頼の言葉を述べており、「この人はベネズエラの医師を信頼していないのかな?」という印象を改めて与えることになってしまったようにも思います。

この会見に向けては、今日の新聞では「フィデル・カストロ前評議会議長がベネズエラに居るハウア副大統領に連絡した」と報じられており、フィデル氏の健在ぶりを逆に内外にアピールすることにもなったようです。

📷 📷

左:今回の会見で3週間ぶりに登場した大統領   右:5月末にブラジルを訪問した際のジルマ大統領とのツーショット


今後の政治日程がどうなるのか、全く読めない状況ですが、少なくとも大統領の不在期間が90日を超えると、副大統領に権限を委譲する義務が発生することになるという報道もされており、来年の大統領選に向けて政府与党内でもポスト・チャベスを巡って闘争が始まったというニュースも流れています。

一方で国内では引き続き大雨の被害や刑務所の暴力問題が続いており、日本と同様、一日も早い政局の安定化が望まれる状況となっています。


尚、7月5日は独立宣言200周年を祝う独立記念日で、この日に帰国出来ているかどうか?が大統領の健康状態を推し量る目処であること、先週もお伝えしましたが、昨日昼前に突然政府広報があり、7月4日も独立記念日準備の祝日となることが発表されました。

既に殆どの学校は年度末を迎えて、街中至る所で卒業を祝う学生達がクルマのクラクションを鳴らし、大声を上げながら騒ぎまわっており、今回の祝日が学業への影響を与えることはありませんが、引き続き愚民化政策で国民をリードしようとする姿勢に変化は無いようです。

 
 
 

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