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パラグアイの言葉 Encarnación(エンカルナシオン)=化身・具現化 英:Incarnation 葡:Encarnação

  • 執筆者の写真: Kaz Suzurida
    Kaz Suzurida
  • 2016年6月18日
  • 読了時間: 4分

2016年6月18日

昨年12月に隣国アルゼンチンで新政権が誕生して半年が経過しました。

これまでの左寄り、と言うよりも単純なポピュリズムに傾倒したキルチネル夫妻の独裁体制から解き放たれて財界出身で現実主義者と言われるマクリ大統領の指導の下、アルゼンチン経済は急速に良くなる、と誰もが期待していました。

しかし、現実にはインフレが激化して、モノ不足が発生すると言う事態が発生、これによってアルゼンチンとの国境の街、エンカルナシオンがアルゼンチンからの爆買い客によって賑わいを見せているという記事がLa Nacion紙デジタル版に掲載されています。 Compradores argentinos “invaden” Encarnación(アルゼンチンの買い物客がエンカルナシオンを占拠) http://www.lanacion.com.py/2016/06/18/aumenta-cantidad-de-compradores-argentinos-en-encarnacion/ 📷 記事によりますと、急激なインフレによる物価上昇とモノ不足に陥ったアルゼンチン市民がパラグアイ最南端の街エンカルナシオンと橋で繋がるポサダス市(Posadas)から車でパラグアイ側にやってきて、日用品を買ってガソリンを入れて行く光景が急増したとのこと。アルゼンチンの休日には一日二万人ものアルゼンチン人がやって来るそうです。因みにポサダス市の人口はアルゼンチンで十番目の25万人、大雑把に言えば市民の十人に1人が週末ごとに隣国に買い物の為に越境している勘定になります。 http://listas.20minutos.es/lista/las-20-ciudades-mas-grandes-y-pobladas-de-argentina-361757/ これを迎えるエンカルナシオン市の人口は少し小さな20万人。これまた週末ごとに人口が一割増えている勘定です。 https://es.wikipedia.org/wiki/Anexo:Ciudades_de_Paraguay_por_poblaci%C3%B3n これとは少し違う話かも知れませんが、5月末にブラジル・サンパウロから飛行機でアスンシオンにやってきた際に驚いたのが、同じ飛行機に乗っていたアルゼンチン人の数。大げさでなく、定員180人程度のLATAM Airbus320の半分近い乗客がアルゼンチンパスポートを持って外国人入国の方で行列を作っていました。 アスンシオンも市の北部に橋があって、パラグアイ河を渡った向う側はアルゼンチンの地方都市クロリンダ(Clorinda)で、かつては安いガソリンや日用品を求めてパラグアイ人がクロリンダに買い出しに行っていたそうです。 また、今回目撃した大勢のアルゼンチン人は、地元に国際空港を持たないクロリンダ市民がクルマでアスンシオンの空港に来て、ブラジルに旅行することを示しています。海に囲まれた日本では想像できない容易さで、二つの国を行き来することが可能な様子がご理解頂けますでしょうか? それにしても、かつて社会主義政権が政府の補助金で物価を低く抑えた結果パラグアイ人がアルゼンチンに買い物に行っていたのに、現実路線政府になった途端に逆の現象が起こると言うのは何とも皮肉な話です。しかし、これは決してパラグアイの物価が安いからではなく、アルゼンチン経済の歪が齎した結果であることを理解する必要があります。 アルゼンチンには昨年まで政府が管理する公定レートとは別に、青レートと言われる平行レートが存在しました。公定レートでのドルは供給量が限られているので、商人や一般市民は青レートを求めて市中に出ますが、マクリ政権はこの二重為替を無くし、為替レートの統合を行いました。 この結果、昨年12月に1米ドル=9.7ペソ(公定)から現在は約14ペソに大幅にペソ安になって物価を圧迫、補助金で安価に輸入されていた商品につられて国産品までが便乗値上げの煽りを受けて40%も値上がり。そうなると、消費者は今後も値上がりが続くとみて必需品の爆買いに走り、商人も将来の値上がりを見越して商品を隠匿するので市場にモノが無くなって品不足が生じる訳です。 http://www.xe.com/ja/currencycharts/?from=USD&to=ARS&view=1Y 日本でも1973年のオイルショックの際にトイレットペーパーが無くなる騒動が発生しましたが、こんなことを記憶している方は若い世代には居ませんね。需給バランスが崩れて品不足が続いたバターを思い出せば、想像できるでしょうが、モノ不足というのはバター単品のような生易しいものではありません。 ともかく、国民の機嫌をとる政治が続くと、こんな現象が起こりやすくなります。エンカルナシオンの好況はアルゼンチン経済不振の化身。こう言う動きをシッカリ観察しながら生き残りを図らなければなりません。 因みにキリスト教におけるEncarnaciónとは、神が人間キリストの姿になって地上に姿を現したことを意味します。ローマ正教会の最高位にあるフランシスコ法王を輩出したアルゼンチンが今後良い方向に変わってゆくことで、パラグアイ経済向上の具現化に繋がることを期待します。 テレビではCopa America Centenario(アメリカ杯100周年記念大会)のアルゼンチン・ベネズエラ戦が流れていますが、我がVino Tintoチームはメッシ率いるアルゼンチンに大敗、まあ一点でも返したことを良しとしましょう。

 
 
 

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