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ベネズエラの言葉 Hundimiento(ウンテ゛ィミエント)=沈没、倒壊  英:sinking, collapse

  • 執筆者の写真: Kaz Suzurida
    Kaz Suzurida
  • 2010年5月15日
  • 読了時間: 3分

2010年5月15日

今週は先にご紹介したチャベス大統領によるTwitterの使用が思わぬニュースをもたらしました。

マリスカル・スクレ天然ガスプロジェクトの浮上式試掘用リグ(Plataforma Aban Pearl)が突然、沈没したのです。「Chávez anuncia hundimiento de la plataforma gasífera Aban Pearl」(チャベス大統領がガス採掘プラットフォーム”Aban Pearl”の沈没を発表)


このリグは1977年にシンガポールで建造され、ノルウェーの会社によって南アフリカで30年使用された後にベネズエラでの使命を帯びて2年前に持ち込まれたもの。

幸い乗組員95人は無事に脱出し、避難時にガスバルブも閉じられたことから、BPがメキシコ湾で起こしたような問題は発生しなかったようです。

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この事故は、2006年2月に発生したカラカス市内とマイケティア国際空港とを結ぶ高速道路に架かっていたビアデュクト橋の崩落事故を彷彿とさせるものであり、いずれのケースでも事前に危険が察知され、大事故を回避しているという点では「優れた危機管理」という見方をすることが出来ます。

しかし、橋脚は1953年の完成後53年経過、今回のリグも1977年の完成後33年経過して、いずれもかなり老朽化していたものを、しっかりと補修管理していなかったので、最悪の事態を招いたとも言える訳で、これは昨今の水や電気のインフラ問題でも同じ指摘がなされるべきと思います。

本当に残念なことですが、多くのベネズエラ人にとっての最も苦手な作業が保守管理なのではないか?と思われます。


新しく出来た空港やホテルなどの公共の建物の多くは、新築後直ちに老朽化が始まり、2~3年以上経過するとかなり傷みが目立つようになります。

小生の事務所の入っているビル(築18年)のエレベーターも、今回こちらに来て2年以上が経過しましたが、ずーっと工事を行っており、配備されている6基が全部作動していたことは二年間一度もありません。


一事が万事こんなことなので、停電だろうと断水だろうと、国民の多くは慣れっこになっていて、大きな不満の声に膨らまないことが、事態を改善させられない要因と言えます。

日本では品質管理のレベル低下が叫ばれていますが、消費者の厳しい視線が政治家・製造メーカー・販売業者等に注がれていて、見られる側がこうした厳しさに応えようとしている限り、まだまだ十分な競争力を維持できるのではないか?と思ったりもします。


橋が落ちて大勢の人達が亡くなったり、リグが壊れて原油が流出する米国は、不幸が重なっているだけなのか?それとも根本的な問題を抱えているのか?考えさせられる事故でありました。

一方、今週は並行為替のドル買いレートがBsF.8.00/$を突破したことにチャベス大統領が反応し、証券会社による並行為替のオペレーション停止命令が出ました。


これはCADIVI(La Comisión de Administración de Divisas=外為管理局)による為替管理が停滞し、政府が決めた二種類の為替レート(生活必需品:Bs.F2.60/$+その他:Bs.F4.30/$)が機能しないため、証券会社が外貨建債権の売買によってドルを動かして需要家に販売したりドル保有者から購入するオペレーションですが、並行レートでのオペレーションが停止されると、金融の血液が停止することになり、経済活動の益々の低迷が懸念されます。

こうした事態や事故が政権のHundimientoに繋がらないよう、あらゆる制度の保守点検と改善に力を入れて欲しいものです。

 
 
 

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