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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ベネズエラの言葉 derecho(デレチョ)=(名詞)権利、正義、(副詞)まっすぐに 英:reight, straight

2010年12月19日

いよいよ2010年も残すところあと10日となり、来る2011年への準備が各所で着々と行われています。

当地では、新年1月5日から先の選挙で改選された新国会が発足し、これまで圧倒的多数を占めていた大統領率いる与党が所謂議決上の絶対多数を意味する99議席から1議席欠けた状態で出発することになり、反対派が大統領の足枷となることがほぼ確定しています。


今週の最大のニュースは大統領授権法(La Ley Habilitante)が可決され、国会の決議を経ずに大統領が政策決定を行うことが可能になりました。


大統領は早速大衆向けのテレビ・ラジオ放送で、この新制度により自分が主導権を握って大雨で家を失った多くの人たちを支援する施策を打ち出すと約束しています。しかし、反対派はこれに対し、公権力の独立のなされていない現在の状態で、授権法が可決されたことは独裁色を更に強化するだけであり、国民の権利(derecho)が踏みにじられている、と猛反発しています。


今年最後のベネズエラの言葉、新聞やテレビより一足早く今年の10大ニュースをまとめてみます。

 1.9月26日の選挙での与党敗北

 2.渇水による水不足(5月まで)

 3.電力不足による停電の多発(通年)

 4.大雨による洪水や地すべりの多発(6月以降)

 5.選挙・大雨による休校(合計約1ヶ月!)

 6.為替レートの評価引き下げ(1月)と、平行為替市場での交換停止(5月)

 7.各地製油所や工場での事故多発(通年)

 8.隣国コロンビアとの国交断絶(7月)とサントス新大統領との国交回復(8月)

 9.ロシアからの原子力発電技術導入表明(10月)

10.資金や計画性の欠如による各種プロジェクトの凍結(通年)


こうして並べて見ても、如何にポリシーが一貫していないか、良く判りますが、日本の事情はベネズエラ以上に混沌としているようにも見受けられます。


今日の言葉、derechoは、右=derechaと対をなす単語で、本来右と真っ直ぐとが同意であるということの様です。一方そもそも右翼とか、左翼という言葉は、フランス革命期の保守派・革新派の席次が議長席から見てどちら側にあったか?ということから今日の意味になった訳ですが、超左派を自認する我が大統領の行動は、他国の目から見ると如何にも超右翼的であり、非常に理解しにくいものです。来年もこうした判りにくい国情を、少しでも理解して頂くよう努力します。


ベネズエラでの出来事を反面教師として、来年の日本が少しでもマシになること、また授権法の有効活用によってベネズエラの治安が大いに改善されることを期待しつつ、年末のご挨拶に代えさせて頂きます。

Feliz Navidad y Feliz Año Nuevo!!!

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