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ブラジルの言葉  Tiradentes(チラデンテス)=歯を抜く人

執筆者の写真: Kaz SuzuridaKaz Suzurida

2015年4月18日

来週の火曜日(4月21日)はブラジル独立の英雄チラデンテスが独立運動の責任者として1792年に処刑されたことに因んだ独立記念日として祝日になります。

多くの人達が月曜も休んで自主的4連休にする為、今日からサンパウロ周辺の道路は大変な混雑になるようです。 ブラジルの独立は1822年9月7日に宣言されていますが、18世紀から高まっていたポルトガル植民地からの脱却の動きを象徴するのが、チラデンテスこと、Joaquim Jose da Silva Xavierです。

チラデンテスというのはtirar dentes(歯を抜く)という意味で、Joaquim da Silvaが歯科医であったことに由来するあだ名ですが、彼の名前は本名でなく、歯医者というあだ名で歴史に名が残ることになっています。


ブラジルの「発見」は1500年4月22日にインド洋を目指したポルトガルの船団が漂着した事に端を発しますが、その後ポルトガル王家の植民地として、赤い染料の原料となるブラジル木や砂糖・金をはじめとする鉱産物のを宗主国に貢ぐことを強いられ続けていました。


その状況に疑問を抱き、共和制の導入を目指して初めて独立運動を起こしたのがJoaquim da Silvaであった訳です。


しかし、この独立の英雄の肖像や銅像は、普段あまり目にすることがなく、この意味でベネズエラからペルーにかけて独立運動を推進し、今でも一部の国々で神格化された扱いを受けているシモン・ボリーバルとは大いに扱いが違うように思います。

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尚、歯を抜くと言う職業を歯科医としましたが、18世紀当時は未だ歯科を専門とする医者は存在せず、チラデンテスも理髪店と外科・歯科が融合した総合理容業(?)を営んでいたようです。

考えてみると、今の様に鋏や剃刀が使い捨ての様に入手できた訳ではなかった当時、こうした特殊な刃物や器具が扱えるというのは、それなりの教育を身に着け、応分の資本があったと言うことなのでしょう。


さて、今週のニュースですが、明治天皇の孫で戦後の初代総理大臣東久邇宮稔彦王の第四子、父君(東久邇宮)の決断で18歳で皇室を離脱、元サンパウロ領事で退官後ブラジルで農園経営を行っていた多羅間鉄輔氏の未亡人の養子となって渡伯し、農園経営を引き継ぎ、さらにはブラジルに帰化して日伯両国の懸け橋役を務めて居られた多羅間俊彦さんが86歳で亡くなられたとのこと。

ニッケイ新聞で初めてこういう方が居られたことを知り得たのですが、知れば知るほど南米の歴史に興味が涌いてきます。

昨夜は母校中央大学のOB会である白門会の集まりがサンパウロの旧日本人街(今は東洋人街という位置づけ)であるリベルタージのNikkei Palace Hotelで開かれました。

ベネズエラでもペルーでも、同窓の方々にお会いする機会が無かったのですが、流石サンパウロ、何処にでもある早慶の会だけでなく、色々な学校のOB会が開催されている様です。

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