2018年8月18日
8月15日はパラグアイでは首都アスンシオンの市制記念日で、国の祝日となります。481回目の市制記念日となった今年は、同時にAbdo Benitez新大統領の就任式が執り行われました。
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前日火曜日は久々に雨が降って、大統領府Palacio de Lópezの後庭屋外で開かれた就任式の心配がされましたが、丁度良い曇り空の下で一年で最も快適な気候のなかでの盛大な式典となりました。
式典には隣国ブラジルのテメル大統領・アルゼンチンのマクリ大統領・ボリビアのモラレス大統領等中南米各国の元首が列席しましたが、最も注目を集めたのはブラジルに次いで上位列席となった台湾の蔡総統です。
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式次第は、先ずこの大統領府後庭での就任宣誓式があり、次にアスンシオン大聖堂Catedralでの礼拝がありました。
それから大統領府に戻って各国外交団との面会となり、ここでも蔡総統は新政権とも緊密な関係を維持する事を誇示するべく、六人のお供を率いて両国の親密ぶりをアピールしていました。パナマやドミニカ共和国を切り崩され、中米のベリーズ、エルサルバドル、ニカラグア、グアテマラ、ホンジュラス、カリブ海地域のハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、南米のパラグアイ、オセアニアのキリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ソロモン諸島、ツバル、アフリカのブルキナファソ、スワジランド、欧州のバチカンという19か国しか正式の外交関係を持たなくなった台湾にとって、今や最大の相手国となったパラグアイとの関係を維持することは、国家の威信をかけた最重要案件と言っても過言ではないように思われ、パラグアイ側もそうした想いに応えるべき厚遇を以って対応したように見られます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34087400S8A810C1000000/
一方、元首の就任式という外交上の重要なタイミングを我が日本は見逃しました。河野外相は同じタイミングでエクアドル・ペルー・コロンビア・メキシコを訪問していたとのことですが、折角中南米各国元首と一度に会える好機を外してしまったことは遺憾としか言いようがありません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180812/k10011574381000.html
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大統領府で祝辞を述べる谷公一日本政府特使
さて、今日の言葉は少々長いEl bastón de mandoですが、ベネズエラ・ペルー・ブラジル・パラグアイと駐在を続けてきた中で、大統領就任式を最も長く観察して初めて気付いたこの棒の存在。大統領となることを宣誓し、右肩からかける大統領帯と共に国会議長から授与されて国家全権の長となったことを衆人の前で示しました。
https://www.youtube.com/watch?v=TdYhxyvotb8
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新たな政権を迎えたパラグアイが、益々発展してゆくことに大いに期待します。
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