先週日曜日に行われたボリビアの選挙、周知のとおり結果は現職のEvo Morales氏が次点のCarlos Mesa氏に得票率で10%以上の差をつけたと主張して四期目の当選を決めたと宣言しました。
しかし、この数字は不正に操作されたものであるとして野党が反発、各地でデモが発生したことを受けて、モラレス氏は「不正が証明されれば再選挙を行う」と発表しました。
しかし、2006年以来14年近くに亘って権力に就いているモラレス氏に忖度する選挙管理委員会や最高裁がごまかしを容認するのは自明であり、結局は2025年まで現政権が続くという見方が大勢を支配しています。
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↑モラレス氏の当選を不当とするボリビア市民の抗議運動
一方、南米の先進国と言われるチリでも先々週末に発表された地下鉄料金の値上げに反対する学生や市民のデモが暴動に発展、この一週間は外出禁止令Toque de Quedaが発せられて公共交通機関も停止、国の機能が完全にマヒする事態に発展したことは日本でも驚きをもって報じられました。
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南米一豊かな筈のチリで、何故地下鉄料金の値上げ程度でこんな極端な暴動に発展するのか?と不思議がる報道が多いですが、答えは現場に出向いてみれば簡単にみつかります。
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↑サンチャゴの貧民街
先月チリのイキケに出掛けたことは以前お伝えしましたが、一緒に行ったパラグアイ育ちの仲間が、イキケの街の貧民街(というか、普通の住宅)の様子に驚いた様子で「こんな酷い暮らしをしている人達を見たことがない」と語っていました。
上の写真は首都サンチアゴの貧民窟の様子ですが、ここまで劣悪な環境で大勢が暮らしている場所はパラグアイでは本当に見たことがありません。一人当たりの平均所得や国民総生産などという指標は、実際の豊かさを測るのには何の役にも立たない訳です。
今日大統領選が行われているアルゼンチンやウルグアイでも同じように強烈な貧富の差が観られます。
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↑ブエノスアイレス最古の貧民街
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↑ウルグアイ モンテビデオのスラム
民主主義では沢山の投票を選挙で得ることで権力を握ることが出来る仕組みである以上、こうした人々の票を安いカネで買うための様々な不正が行われるようになっていて、一票が同じ重みをもつ以上こうした流れは変えられないのが実態です。
周辺の国々の選挙結果は当然パラグアイの政治・経済に大きな影響を与えますが、誰が如何なる手段で政権に就いたにしても、その運営にはごまかしが無いようにしてもらいたいと切に願います。
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