2013年6月23日
Costa(コスタ=海岸)・Sierra(シエラ=山脈)・Selva(セルバ=密林)というものです。
南半球に位置するペルー、一番北の地域は殆ど赤道直下、最南端でも南緯18度で、北緯に引きなおして日本の近くで見ると、中国のリゾート地 海南島が対極にあることが分かります。
アジアのイメージで熱帯の海岸というとすべて緑に覆われたイメージになりますが、ペルーの場合、海岸は完全に砂漠或いは土漠で、人工的に形成された緑地以外は植生は殆どありません。 その海岸から西進すると直ぐにぶつかるのがアンデス山脈、つまりSierraです。 日本では富士山が世界遺産登録されたと言うニュースで沸き立っており、富士山はじめいろいろな山の景色がネットのニュースでも流れてきますが、ペルーの山の多くはこれまた緑の少ない茶色や灰色の山肌です。
この山を越えて更に西に進むとようやく日本でイメージされる南米の景色、密林が始まる訳です。 今日のEl Comercioの一面トップニュースは、この密林の玄関口Madre de Dios(神々の母と言う意味)地区の自然が非合法な鉱山開発によって大きく破壊されているというものです。
何故かまだネット版にはこの記事が見つかりませんので、写真入りでご紹介できないのですが、この一年の間にもこの地区の15%もの緑地が破壊されたという衛星写真付の解説がされており、政府が取り組む違法開発の規制がうまく捗っていないことを批判しています。
今週はペルーで日本を代表する企業のひとつ、三井金属鉱業のサンタルイサ鉱山の開鉱45周年記念パーティーが盛大に行われました。
この催しの中で、この会社が鉱山の開発だけでなく、学校や病院等の施設や人員の投入によって地域の発展にも大きく貢献したビデオが流され、ペルーの要人も大勢出席した参加者達は日本の企業の真摯な姿勢に大きな賞賛を寄せていました。
一方で、今朝のニュースのような無秩序な乱開発が止まない現実を見ますと、この国の発展が今後も続くためには、こうした違法行為をやめさせることと同時に、道徳心や社会制度に関する教育を如何に施してゆくべきか?ということについて考えなければならないと思われます。
以下はペルーの鉱山開発に関する少し前のレポートですが、世界的に資源相場が軟化している今だからこそ、もう一度資源開発への取り組み方を真剣に考え、45年も事業を続けたサンタルイサのようなモデルを作らなければ、と思う次第です。
http://www.jogmec.go.jp/content/300053248.pdf
Madre de Dios:Puente de la entrada a la selva(マドレデディオスはセルバ=密林への架け橋)と紹介する記事、ペルー人にとっての憧れの観光地でもあるようです。 http://elcomercio.pe/turismo/1588540/noticia-madre-dios-puerta-entrada-selva
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