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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ペルーの言葉  revocación(レボカシオン)=取り消し、撤回  英:revocation, recall

2013年3月16日

今週最大のニュースはバチカンで開催されていた根競べでなくConclave(Con Clave=鍵を使って、という意味)で13日、ラ米発のローマ法王が選出されたことでした。

16日の初謁見での"Una Iglesia pobre y para los pobres", el deseo del papa Francisco(新法王フランシスコは「貧しい人々のための清貧なる教会に」と述べられた)というご発言は、社会主義色を濃くするアルゼンチン出身の新法王の立場を象徴しているように思われます。

各種報道でも論じられている通り、欧州大陸以外から1300年以上ぶりとなる新法王が誕生した背景には、世界のカトリック信者の4割(5億人)を占めるラテンアメリカの相対的地位の向上と同時に、信者の収入の低下という、経営的視点が見受けられます。 中南米各地には欧州列強(殆どスペイン・ポルトガルですが)が建てた立派なローマ・カトリック教会が今でも旧市街の中心を成しており、観光の名所になっていますが、逆に新市街に建つ教会は同じキリスト教でもプロテスタントであったり、或いは他の宗教のものになっているケースが少なくありません。

カトリック教会が今後も世界の宗教界でこれまでの様な地位を確保してゆく為には、先ず信者数で欧州を上回る中南米の信者を更に増やし、信者数を増やすためには人口の大半を占める低所得者層にアピールすることが重要、という観点で、アルゼンチンでの貧困対策に長らく取り組んできて、ご自身も清貧な暮らしぶりで知られるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)が新法王に選ばれたと言う訳です。

一方で、その中南米で急激に存在感を増している中国とは、バチカン・カトリック教会は国交を持っておらず(台湾を支持する立場)、新法王就任と同時に中国政府がバチカンへの台湾との断行を迫るなど、宗教と経済の両立を如何に保つか?という難しい問題にも直面することになりそうです。

さて、今日の言葉revocaciónは、中国政府からの要求ではなく、リマ市民からの要求から出てきた市長の地位撤回、即ちリコール選挙が明日17日に行われることをご説明するものです。 これまでも何度かご紹介してきた通り、急成長するペルー経済を象徴する首都リマの近代化の為に、特に渋滞緩和を主眼に道路や鉄道の整備、治安の浄化や社会基盤整備の推進に力を注いできたSusana Villarán市長が、昨年末、その急進的手法を嫌う貧困層を中心にしたリコール推進署名運動によって信任を問われることになったもの。

彼女の姿勢に理解を示す富裕者層からは多くの支持を集めているものの、人口比率では圧倒的な貧困層からの不支持が多く、現時点では不支持率55%と、明日の投票に向けて圧倒的苦戦を強いられています。

Villarán: "He tenido momentos de mucha tristeza en este proceso de revocación"(ビジャラン市長:「リコールが発動されたことは極めて遺憾」) http://elcomercio.pe/actualidad/1550642/noticia-susana-villaran-he-tenido-momentos-mucha-tristeza-este-proceso?ref=home&ft=grid-video#news ペルーでは、選挙で投票することが国民の義務として法律で定められており、明日の市長リコール選挙でも、投票しなかった人にはS/.185(約7,000円)の罰金(multa)が科せられることになっていると、今日の新聞でも注意を喚起しています。

社会基盤の強化に向けて、ある程度の犠牲を求めるのか?或いは犠牲を回避して現状維持を望むのか?単にリマ市だけの問題ではなく、カトリック教会にも同じような重い課題が圧し掛かってきている今日この頃です。

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