2013年1月27日
アルジェリアで日揮の方々を含む多くのプラント関係者が拘束され、強硬な人質救出作戦で亡くなったとの報道があったばかりですが、当地の新聞でもペルー人地質技術者二人がコロンビアの山中で地元警官とともにゲリラに誘拐されたというニュースが報じられています。
この事件にはFARCやELNといったコロンビアの左翼ゲリラの関与が背景にあるといわれる一方で、当事者のゲリラは自分たちの関与を否定するコメントを発しており、誘拐発生から一週間以上が経過しても解決の糸口は見つかっていません。
No hay rastro de peruanos secuestrados por terroristas en Colombia
http://elcomercio.pe/actualidad/1528403/noticia-no-hay-rastro-peruanos-secuestrados-terroristas-colombia
ペルーでも山岳地帯でいまだに活動するSendero LuminosoやMRTA等が鉱山技師等を誘拐して身代金を会社に要求するケースはいまだに発生しており、Humala大統領の姿勢が試されている、ということはこれまでもお知らせしてきました。
日本では1970年代に根絶した左翼ゲリラ活動は、貧困層の不満の捌け口として、今でも第三世界の資源国では根絶やしになることはなく続いている訳です。
一方、先週の新聞報道では「リマ市民の73%が自分たちを貧困層ではないと定義している(Un 73% de limeños no se consideran pobres, según estudio)と大々的に報じていました。
http://noticias.terra.com.pe/nacional/un-73-de-limenos-no-se-consideran-pobres-segun-estudio,812789fa7d84c310VgnVCM20000099cceb0aRCRD.html
確かに夏休みを迎えたリマ市内は、南部の海岸リゾートに向かう車で朝夕の混雑が発生し、市内のショッピングセンターは週末ならずとも大勢の買い物客でごった返しています。
こうした姿を見ていると、正に日本が30年・40年前に辿った足跡を追いかけてきているように感じる一方で、当時の日本に感じた活気を肌で味わう気分にもなります。
誘拐事件の当事者の皆さんには、心配な日々が続いていることとお察ししますが、大都市リマの多くの市民は、そうした地方のニュースを他人事と感じ始めているようにも思われ、こうした都市と地方の格差問題も、今後の中南米の課題のひとつになるだろうと懸念されます。
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