2013年5月17日
今週は、ベネズエラのネタで変な盛り上がりがありました。。
発端は水曜日のペルー各紙面を大きく飾ったこのニュース。
"Venezuela importará 50 millones de rollos de papel higiénico ante escasez" (ベネズエラ、品不足を受けて五千万ロールのトイレットペーパーを輸入)。
通常はベネズエラでのトイレットペーパーの月間消費量が125百万とも書かれていて、これを人口28百万で割り返すと、国民一人当たり週に一本という計算になり、チョット多すぎない?という感じもします。
先の大統領選挙の混乱を予測した多くの市民が生活必需品を買い溜めし、その後のインフレ悪化による公定価格値上げ発表を受けて、また一段と買い占めが発生。既に国内のスーパーの棚には多くの商品が欠品しており、El Comercial紙のこのニュースでも、鶏肉と小麦粉を求める市民がスーパー目掛けて疾走する様子が報じられています。
ペルーにおける過度なまでのベネズエラ関連ニュース配信の裏には、ペルー国民が抱くChavismo(チャベス主義)への極度な警戒感が存在します。
これまでは美人のナディン夫人と共に、常にジーンズを着用するラフなスタイルで庶民派を自認して人気を保ってきたウマラ大統領ですが、4月のベネズエラ選挙に不正があったと考えるペルー国民が圧倒的であったにも拘らず、開票直後に召集したUnaSur首脳会合で、条件付きながらいち早くマドゥロ政権を承認し、また、その後直ぐにカラカスに出向いて就任式典に参列した事をはじめ、今週はベネズエラ政府の選挙結果見直しの姿勢を批判した外務大臣を事実上更迭、これまで仮面の下に隠してきたと言われるウマラ氏の共産主義への傾倒や、いまだ国民の多数を占める貧民層からの支持ばかりを気にして、投資関連の政策に前向きな姿勢を見せないノラクラした態度が、「口先だけで貧民層に媚を売るチャベス主義である」と、多方面から強烈な批判を浴びる結果となっています。
今回のベネズエラにおけるトイレットペーパー騒動では、ペルーでもほんの二十年前に同じ経験を持った高年齢層だけでなく、そうした時代が最近まで続いたという話を知っている中年層や若年層にまで「下手をすると、昔のようになる、ベネズエラのようになる」と言う強烈な危機感となって受け止められているようです。
ところで、今日の言葉 higiénico ですが、ベネズエラではあまり耳にしなかったように思います。
ペルーでは、レストランや公共の場所のトイレを指す言葉としてSS.HH.と言う表現があります。これは Servicios Higiénicos の略で、直訳すると「衛生サービス」ですが、要はトイレのこと。ベネズエラではBaño (バニョ)と言う表現が普通でしたが、ペルーではバニョは風呂、トイレはイヒエニコと言いますので、覚えておくと良いでしょう。
因みにスペインのマドリードでは、Aseo (アセオ)と書かれていました。
そう言えば、5月17日はdía mundial de la hipertensión arterial=世界高血圧の日、だそうです。ジャンクフードの食べすぎには注意して、身体的健康にも精神衛生にも気をつけた生活を送るように心がけましょう。
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