2013年8月10日
ペルーでは公務員法の改正や医療制度改革が行われようとしており、これに反発する公務員や医師・看護師が7月から集会や抗議行動・ストライキを起こしてきたことはこれまでもお伝えした通りです。
今日の一面トップ記事は、医師のストライキによって患者の生命に危険が及ぶことになった場合、医師を告訴すると行政サイドが通告したとのニュースで、ストライキが始まって26日経った今でもこの問題が解決していない事を伝えています。
一方で、二面には看護師たちがストライキを中断し、職場に復帰したとの記事が載っており、事態打開への糸口が見えてきたかのようにも思えます。
「Enfermeras levantan su huelga luego de 23 dias(看護師達は23日後にストライキを解除)」
同じ記事によると、リマ市内の公立病院で毎日5万5千の内科と1万2千の外科で診療がストップしているとのことで、我々外国人が行く私立病院とは違い、救急医療にも多大な影響が出ていることがうかがわれます。
日本でも1970年代には医師の地位と就労条件の向上を名目に日本医師会と厚生省とが対立し、医師会によるストライキという事態も懸念されましたが、結果的にストライキで大きな社会問題を起こしたのは交通系の労働組合だけであったように記憶します。
ただ、ペルーでは未だに貧富や地域格差が極めて大きく、同じ医師であっても公立と私立、中央と地方で大きく就労条件が異なり、こうした格差を如何に是正してゆくかが引き続き大きな社会問題であり続けるわけで、先の年次教書で格差是正の具体案を示せなかった政府にとって、今回の問題は今後の方向を占う意味でも試金石となっているように思われます。
ところで、明日8月11日はペルーでは子供の日だそうで、7月28日の独立記念日から来週あたりまで、市内のあちこちに世界中からやってくるサーカスのテントが見られます。
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サーカスの宣伝のひとつ
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