2013年7月28日
今日7月28日はペルーの独立記念日El Dia de Patria(直訳は"愛国の日")です。
リマの街中には至る所に国旗と、国旗をモチーフにした紅白の飾りが付けられ、日本の慶事かと見まごう様です。
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上:ペルー国旗 下:Google Peru版 本日のデザイン
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紀元前一千年以前から文明の歴史を持つペルーですが、1533年にスペイン人フランシスコ・ピサロに征服されて以来、約三世紀に亘るスペイン副王領の時代を経て、1821年7月28日、同じスペイン人(アルゼンチン生まれ)のホセ・デ・サン・マルティンによってリマが奪取され、独立を宣言した事を祝う日であり、現在のペルーとしては、僅か二百年足らずの歴史しか無い事になります。
現在のペルーでは、国民の多くが何らかの形でインカ時代の原住民との混血となっていますが、純血を今でも守る超富裕白人層も含め、ペルーには何千年もの歴史があることを誇りにしています。
今朝の新聞は独立記念日を祝う真っ赤な袋(スーパーWongがスポンサー)に入って届きました。
普段は透明な袋には「Celebremos con orgullo nuestra Pasion por el Peru」(ペルーを誇りに思う気持ちと共に祝いましょう)と言うメッセージが印刷されていて、一年に一度の大イベントの当日である事を感じさせます。
一方で、今日の一面の下半分を飾る記事はモチェ文化(AD100~700年頃)の女性司祭と思われる墓跡の発掘が行われているというもので、最新ニュースと言うよりは、ペルーの歴史の長さを強調する特集の様な形で掲載されているのが印象的です。
昨日の新聞に、就任三年目の支持率比較が掲載され、就任時55%だったウマラ大統領の支持率が今月の調査では33%にまで低下していると報じていました。(先代のガルシア大統領は就任時63%、三年目26%、先先代のトレド大統領は同59%→12%ですから、まだマシと言う感覚。ただその前のフジモリ大統領は46%と言う歴代最低の就任時支持率から三年目は65%と大幅に改善していました。)
今日は、ブラジル大通りや周辺の道路で軍も動員しての大規模なパレードが予定されていますが、一方、一昨日に続いて昨日も旧市街の中心地で、国会運営への不信や公的サービスへの不満を訴える大規模な抗議デモが繰り広げられ、警察は催涙ガスを使用して応戦するなど、騒然とした雰囲気に包まれていた模様です。
こうした反政府的動きの報道を目にすると、国民の不満が高いのだと言う見方が出来る一方、最近は別の角度からモノが見えるようになって来た様に思います。
例えば、ペルーではホテルの部屋でも飛行機でも、アンデスの山で貧しく生活する原住民系の人達への寄付を訴える宣伝をやたらと目にします。
初めてこうした広告を目にした際は、至る所に善意が溢れていて、良い国だと言う印象を持ちましたが、逆の見方をすると、こうした貧しさの克服を全て寄付で行おうとしている訳で、貧民層は「貧しい生活の自分達を助けて!」と言うメッセージの制作に積極的に協力していて、「施しを受けるのが当然の権利」と言う風潮を助長しているように見えてきます。
昨年2012年に就労ビザを取って入国した人の数は前年比17%増の4万2千人だったそうです。外国人だけでなく、ペルー人の就労を如何に増やすか?政府と一緒に考えたいものです。
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