2013年4月20日
今週はボストン・マラソンでの爆破テロ事件や、テキサス州の肥料工場爆発事故と言った悲劇的事件が多発したにもかかわらず、ペルーの新聞El Comercioは毎日一面から五面まで、ほぼ完全にベネズエラの記事で埋め尽くされていました。 先週日曜の選挙で、選挙結果の発表が大幅に遅れた挙句に、超接戦を制したが如き結論で、チャベス後継のマドゥロ暫定大統領が勝利した、とされる選挙結果についての報道です。 木曜夜には急遽リマでUnasur(チャベスが提唱した南米連合)の首脳会議が開催され、主催者のウマラ大統領の他、コロンビアのサントス、ブラジルのジルマ、ウルグアイのムヒカ、アルゼンチンのフェルナンデス、ボリビアのモラレスという各国首席が一同に会し、これにマドゥロ氏が加わって選挙の結果に関する討議を行いました。(チリからはモレノ外務大臣が参加) 丁度、ポルトガルのカヴァコ大統領がペルーを訪問中であり、首脳会談に続く歓迎晩餐会を済ませた後、夜九時半からウナスール会議となり、結果としてマドゥロ氏の当選を認めたものの、投票の再確認を促し、ベネズエラでの民主主義の履行にウナスール加盟各国が支援を行うと言う内容の決議をしたのは日付が変わった金曜未明。 19日金曜がベネズエラの独立宣言記念日であり、大統領宣誓式でもあった事から、各首脳は慌ただしくリマを後にし、自分達が正当性を批准したマドゥロ氏の宣誓に立ち会うためにカラカスに向かった次第です。
こういうし一連の政治的動きに関し、ガルシア前大統領やケイコ・フジモリ野党党首は一様に不快感を示し、ベネズエラの現政権の正当性はカプリレス氏が主張する票の数え直しを確認してから認めるべきであったと反発、マスコミの多くの論調もこうした意見を支持しています。
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急遽リマに集合した南米首脳(E Comercioより)。顔と名前が一致しますか?
どうしてペルーのマスコミも政治家も大衆もこんなにベネズエラの状況に神経を配るのか?
フジモリ氏の現役大統領時代に今の発展するペルーを築いたと言われていますが、一方で政権末期には権力の座にしがみ付いて独裁者的な振る舞いで、最後は殺人罪の実刑を受けるまでになっていることは周知の通りですが、チャベス政権の末期とイメージが重なる部分もあるようで、フジモリ氏の晩節に対する嫌悪感の表れとも考えられます。
また、元々同じ軍人出身、しかもクーデターを仕掛けた処まで経歴が似ているウマラ大統領がベネズエラ独裁政権との結び付きを強めることに対する警戒感が、過敏なまでの反応になっているとも分析できるでしょう。
今日の言葉アスンシオンは、南米の小国パラグアイの首都の名前でもありますが、パラグアイはウナスールへの参加停止処分を受けており、今回の会議にも参加していません。
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