2014年5月10日
いよいよ今回のペルー駐在最後の週末を迎えました。
今週は漸くリマの秋らしく、朝はChispa(霧雨)で路面が濡れ、日中も曇天で太陽の出ない一週間でした。
以前も書きましたが、Chispaと言うのは霧雨よりも細かい雨を指すペルー独特の表現で、本来のスペイン語の意味は火花とか閃光のこと。早朝のChispaが始まると、これから長い曇りの日々が続くことになります。
明日は母の日、ペルーにとどまらず家族の絆の強いラテンアメリカでは、年間を通じて沢山ある各種記念日の中でもとりわけ重要視される行事の一つです。
お菓子屋や花屋は一年で一番忙しい書き入れ時とも言えます。
で、今朝の新聞El Comercioで見つけたペルーの花に関する記事をご紹介します。
題して「La encantadora ruta de las flores」(素晴らしき花の道)
南米で花の産地と言えば、先ずコロンビアで年間の花卉輸出額は11億ドル、次がコロンビアで5.5億ドルなのだそうです。市中を見回せば、綺麗な花が豊富に、且つ安価に売られているペルーでも花の栽培はさぞ盛んだろうと思いきや、国内の総栽培面積は僅か300ヘクタール、輸出額は僅か1千万ドルと近隣諸国に大きく水を開けられている状況です。
しかし、記事ではリマから東に230km、アンデス山脈を上ってたどり着くTarmaという標高3000mの村が大きな花の産地で、アンデスの真珠(La Perla de los Andes)と呼ばれる桃源郷、ここから沢山の花が大消費地リマに運ばれる様子が紹介されています。
我がアパートの隣人、Jorge氏もTarmaの出身で、土地の素晴らしさは以前から家族同士の団欒の際に聞いていましたが、この記事ではTarmaで観光花卉産業を起こし、それを栽培面積拡大のきっかけにしてはどうか?と建設的な提言がなされており、成る程、と思わされた次第です。
Tarmaは一度訪れてみたい場所の一つでしたが、結局今回の駐在期間内に果たすことは出来ませんでしたが、またいつか機会を見つけて是非訪問したいと思います。
Tarmaの先には5000mの峠を越えて美しいMantaro渓谷が広がっており、ここにはペルー最古の首都Jaujaや渓谷最大の街Huancayoがあり、美しい湖や牧場、名物アーティチョークの畑等が広がっています。
この渓谷には着任早々アンデス鉄道で出かけましたが、その美しさに圧倒されたことを今でも鮮明に記憶しています。
ペルーには有名なMachupichuやNazca以外にも、こうした知られざる宝石のように魅惑的な場所が沢山ありますので、是非皆さんもいらしてみて下さい。
ところで、リマの花市場el Mercado de Flores de Piedra Lizaですが、実は世界遺産でもあり大統領府や主要政庁舎、175周年を迎えたEl Comercio本社ビル等のある旧市街のすぐ近くにあります。
ただ、San Cristobalという丘のふもとで、ここはリマでも最も治安の悪い場所の一つであり、観光客が近寄れる場所ではありません。このSan Cristobalの丘に張り付いた貧民街の様子は、貧富の格差の激しいペルーの象徴のようなもので、かつて香港で恐れられながらも観光客を魅了した九龍城のような存在ですから、いつかこうした景色が無くなって、本当にすべての意味で発展した国造りがなされることを切望します。
さて、これまでも書いてきました通り、皆さんの承諾なく勝手に送り付けてきたこの週末レポートは今回で最後とし、これからは今まで反応を頂いた皆さんのみに、新シリーズをお送りすることに致します。
7年目に突入した今回の南米駐在、まだまだお知らせしたいことは沢山ありますので、引き続き皆様のご支援・ご指導を頂きます様、お願いします。ペルーでお世話になった皆様、ありがとうございました。
Encantado!
Comments