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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ベネズエラの言葉 Oficialismo(オフィシアリスモ)=与党、政府関係者 英:Ruling party

2010年10月3日

この一週間は26日 日曜日に行われた国会議員選挙の結果を巡って、色々な報道がありましたが、終に一週間後の今日になって各紙が選挙総括の記事を載せています。


「Oficialismo suma 98 diputados; oposición 65 y PPT 2(与党が98議席、野党連合が65議席、PPTが2議席獲得)」という速報が出たのが27日(月)午後になってからで、電子投票での集計が日曜日の午後8時過ぎに開始されてから20時間程度の時間が経過していました。何故、こんなに集計に時間が掛かったのか?という点で議論が百出し、報道各社のニュースサイト上の集計値も、各社バラバラの数字が記載されていたので、国民も大いに動揺していました。


特に、「Candidatos de la Unidad llaman a votar "sin miedo"(統一委員会の候補者達は「恐怖を捨てて」投票を呼びかけ)」と投票前に訴えかけた野党連合の呼びかけに応えて、政府への批判票を入れた人達にとっては、「結局はまた票の操作や個人投票行動の政府側による確認で、ますます立場が悪くなる」と懸念を示した市民も大勢いました。


最終的には与党PSUVが165議席中の過半数98は確保したものの、大統領権力を更に強化する授権法の成立に必要な3/5となる99票には達しなかったことから、新議会が発足する前の今暦年中に駆け込みで大統領への権力集中に関する各種法案が強行採決される可能性が濃厚になってきました。ベネズエラで半世紀以上暮らしておられる日本人の方も、「来年新議会が発足する際には、議会権限が大幅に削られて骨抜きになっているだろう」との見方を示しておられ、「大統領選挙が行われる2012年末までに、景気は更に悪化するだろう」と嘆いておられました。

📷ベネズエラ国会


一方、近隣のエクアドルでは政府が推進する公務員の減給などの措置を巡って警察官が反発、警察官の集会に直接出向いて説得を試みたラファエル・コレア大統領に催涙弾が発砲され、大統領が急遽警察病院に連れ込まれ、建物の内外で銃撃戦に発展した結果、一部メディアがこれをクーデターと報道したことから、ベネズエラでも一時緊張が走りました。特に自身がクーデターを起こしたり、反対に起こされたりした経験を持つチャべス大統領は直ちにクーデターを非難する声明を発表、キューバのカストロ評議会議長や米国のクリントン国務長官も同様の声明を出しましたが、どうやらこれは入念に計画されたクーデターというよりも、反発するコレア大統領の姿を見て興奮した一部の警官たちが感情を抑えきれずに催涙ガスで抗議しようとした行為が、結果的に警察側に死者二名を出す惨事に発展したというのが真相の模様です。


また今日はブラジルの次期大統領を決める直接選挙が行われ、南米の新しいリーダーが決まります。先にお知らせした通り、8月からは隣国コロンビアの大統領も強力な指導力を発揮したウリベ氏から、その後継者サントス氏へと政権の交代が行われたばかり。現在でも80%以上の驚異的な支持率でブラジルを準先進国に発展させ、またチャべス大統領とも有効な関係を維持したルラ現大統領の後継者が誰になるのか、ベネズエラでも大いに注目されています。

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