2011年2月5日
昨日2月4日は、現大統領チャベス氏が19年前(1992年)青年将校(38歳の陸軍中佐)だった時に、当時のCarlos Andrés Pérez政権の打破を目指してOperation Zamoraという名のクーデターを決起し、失敗した日ですが、これをきっかけに現在の社会主義革命政権が誕生したとして、カラボボ州の州都バレンシアで集会を開きました。
ラジオでも風邪気味の大統領が資本主義の象徴としてコカコーラを非難しつつ、「Papelon con limon(サトウキビから作る甘いジュースにレモンを絞った飲み物)があれば風邪も治る、コカコーラが無くても生きてゆくのに不便は無い!」と声を枯らせつつ叫んでいる様子が放送されていましたが、この演説に関するメディアの対応は冷ややかで、今朝の主要三紙の一面にはこの演説に関する記事は掲載されていません。
さて、日本では新燃岳の噴火が大きな話題になっていますが、ベネズエラでも大きな爆発が週明けの紙面を飾りました。
Caracasからクルマで西に1時間のMaracayという街にあるCAVIM(Compania Anonima Vanezolana de Industrias Militaresの略)という政府の軍需工場が、日曜の早朝4時に突然爆発し、近所に住む女性1名が死亡、周辺住民約1万人が緊急避難するという事態になったというニュースです。
この様子は多くの人達によって撮影され、ユーチューブにも動画が投稿されています。砲弾や爆薬の工場・倉庫だけに、爆発の規模は大きく、爆発で飛ばされた砲弾が民家や道路に着弾、それを素手で回収する様子も報道されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=_4fblrDLrfU&feature=player_embedded
-- 📷
CAVIMは肥料工場のあるMoronという村に爆薬原料となる硝酸アンモニアの工場を持ち、ここで生産される火薬を原料に、Maracayの工場で砲弾や拳銃等を製造している会社で、現政権にとっては非常に重要な兵站基地であると言えます。また、Maracayは陸軍の大きな基地や飛行場があり、首都カラカスの守りを掌る重要な軍事拠点という意味合いのある街です。
チャベス大統領も、ここAragua州や、その向こう隣のCarabobo州は、二百年前にベネズエラ独立運動が始まった地域として、現革命政府の重要地域と謳っており、度々現地を訪れて、軍の引き締めを行っている訳で、火の気の無い日曜の早朝にこうした爆発事故が発生したことは、軍をバックにする現政権にとって大きなイメージダウンに繋がりかねません。
周辺の住宅90戸が大破、400軒が何らかの被害を蒙って付近を通る幹線高速度道路が丸一日閉鎖された大爆発事故ですが、死者1名で収まったのは早朝の奇跡としか言いようは無く、この責任を如何に取るか、政府の対応が注目されています。しかし、爆発から約1週間が経過した今も、原因は不明のまま、また具体的な被害金額も発表されていません。
一方、10月からやっていたベネズエラのプロ野球リーグは日曜に最終戦が行われ、Anzoategui(アンソアテギ)州のCaribesが20年の球団史上初の優勝を成し遂げました。結果的に同州では月曜日が急遽州の祝日となり、お祭り騒ぎが広がったようですが、突然の休日宣言は十分に広報されておらず、出勤してから周辺が休みであることに気付いた人達も居たようです。
この野球チームはそのまま、ドミニカ共和国で水曜日から始まったカリブシリーズ(Serie del Caribe、メキシコ・ドミニカ共和国・プエルトリコとベネズエラの各国リーグ優勝チームの王者決定戦)に出場していますが、戦績は1勝2敗と振るいません。
冒頭に触れたとおり、今週は2月2日が99年のチャベス大統領就任記念日、2月4日が92年のクーデター記念日ということで、突然の祝日宣言が出るのでは?と恐れ戦いていましたが、結局はそうした動きの無いまま、平穏に週末を迎えた次第です。
Comentários