2012年5月12日
明日5月第三日曜日は「母の日」。今の日本では単なる商業主義的祝日になってし
まっている感のあるこの日は、ベネズエラでは真剣に母に感謝する日として、大切
にされています。
この大事なイベントを前に、我等がチャベス大統領は4月30日から不在にしてい
た祖国に帰ってきました。
昨晩金曜夜10時到着ということで、またまた夜行便での移動となっています。こ
れは日中の移動では渋滞が酷くなることを配慮して、道の空いている時間帯を選ん
でくれているのだろう、と思われます。
その大統領、今回のキューバ滞在で5回目とも6回目とも言われる放射線治療を受
けたとの報道がありましたが、映像で観る限り開腹手術や数次の放射線治療を受け
ている患者の姿には見えません。
明らかに強力な神の御加護を受けている奇跡の男、という次のシナリオに向けて
着々とイメージプランを重ねている、というところでしょうか。
Chávez "sin molestias mayores" terminó tratamiento
空港に到着し、Jaua上席副大統領以下主要閣僚の出迎えを受けた大統領、今回はタ
ラップを降りると直ちに会見を始めました。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=zZNkZcKMs8Q
20分の演説の中で、先ず母の日を祝う為に帰国したこと、母なる祖国の為にまだ
働くこと、と母という言葉を連発し、元々支持率の高い女性票を意識した演説が繰
り広げられました。
また、インフレ率の低下や国内生産の向上に対して留守中各担当閣僚が頑張ったこ
とを誉め称え、大統領不在でも十分に政府が機能したことを強調していました
が、勿論、インフレ率が下がったことも、国内生産が向上していることも、誰も確
認できたことではなく、違和感を禁じえませんが、盲目的支持者は統計を読む力も
ありませんから、こうした話を鵜呑みにし、政府の成果を評価することになるのか
も知れません。
また、反対派が国内に暴力をもたらし、遥か遠い国々と結託してベネズエラの評判
を落としめている、という批判もしっかり盛り込んで、最後には母を称え祖国を讃
える歌まで歌ってサービス満点の20分間となりました。
一方で、市内のLa Planta刑務所で先週発生した受刑者300人の集団脱走事件は全
く解決の目途が立っていない模様で、昨日は地下鉄Chaca駅(丸の内線銀座駅のよう
な位置付け)で強盗による殺人も発生、多くの母親が子供の安全に対する懸念を増
す状況になっています。
Rayma Rayma Rayma
La Plantaと言うのは刑務所の名前ですが、植物や工場と言う意味
(英:Plant)。真ん中のLas Cuatro Estacionesは四季という意味です。
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