2009年2月6日
今回のベネズエラ滞在1年足らずの間に二回目の生チャベスを目にする機会を得ました。前回は地方都市での農産物展示会と思って行ったら、統一地方選挙の為の応援演説会であることが偶然判り、目の前で喋る本物チャベスと握手までして帰ってきましたが、今日は2月15日の憲法改定国民投票を前に、カラカス最大の音楽堂「Teresa Carreño(テレサカレーニョ)劇場」で革命政府10周年の成果発表会
が行われ、それに招かれたもので、3000人の観衆を前に三時間に亘る大演説を振るうチャベス大統領を最前列で見てきました。
革命政府(Gobierno Revolucional)と自分で言っていますが、正統な選挙で当選して大統領になったので、この表現は正しくありません。
ただ普段の演説の中でもしょっちゅう使われる社会主義(Socialismo)や革命(Revolucion)といった単語以外に、今日の演説で多用していたのが平和(la paz)という単語です。これは最近の国民投票関連の報道で、体制側関係者が反対派のデモなどを暴力で鎮圧していると批難されていることに対しての反論であることは自明です。
一般にチャベス大統領と言うと、新聞で活字にされる発言内容や、テレビの映像では強面でいつも誰か(主に米国や資本主義者)を罵っている様に思われ勝ちですが、これまで二回の体験では、強烈な罵りの言葉の数よりも遥かに多いジョークや駄洒落で会場を盛り上げるコメディアンと言う方が当てはまる感じです。まるで笑福亭鶴瓶と綾小路きみまろが合体したような語り口で、今日も10年の成果を大いに明るく紹介して会場の笑いを取っていました。時々みのもんた調で資本主義を罵倒しますし、その発表の内容は極めて疑わしいものばかり(食糧や鉱産物の生産高が急増したとか、物価が安定しているとか、ハッキリ言ってこの方がギャグに近い)ですが、チャベス支持派で埋まった会場は「!Viva Chavez! Uh! Ah! Chavez no se va!」の大合唱で、極東のわが国の政治家達との大きな違いをまざまざと見せ付けられた感じの一日でした。
(演説は12:30に始まり、15:30に終わったものの、朝9:00から会場で待たされていたので。) ともかくこの独裁者の演説、侮れない力を持っていることは事実です。
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