2010年6月19日
今週もチャベス大統領による社会主義パワーが炸裂しました。
先に反政府的報道が多すぎるとして閉鎖されたGlobovisionの社長が株主に名を連ねるBanco Federalが今週初め、強制的に閉鎖され、預金者による取り付け騒ぎが発生しました。そして大統領は個人預金者に対して最高3万ボリーバルまでの保証を発表しましたが、この突然の措置は一般市民による政府への不信感を煽る結果しか生み出していないように思われます。
政府系といわれる"Ultimas Noticias"紙も15日の朝刊一面トップで 「Banco Federal fuera de juego」(バンコフェデラルは試合退場)と報じ、政府のレッドカード(社会主義政策)提示により市場から強制排除された同銀行の様子が綴られていましたが、ワールドカップと引っ掛けた皮肉の聞いた表現で、座布団三枚!と叫びたくなる見出しでした。
一方、 期限切れ食品の報道も加熱しており、新たに中国製粉ミルクのコンテナが発見されたり、ハイチに地震援助で送られた食料コンテナが消費期限切れで送り返されたりと、政府のイメージダウンに繋がる報道が相次ぎました。
更に、大統領がほぼ毎日行っているテレビ・ラジオでの演説でブルジョアの象徴としてのポラール・グループへの批判を強め、ベネズエラ国民の主食であるアレパ(トウモロコシ粉で作るハンバーガー状の食べ物)原料をポラールには渡さないと受け取られる発言を行い、これに対抗してポラール社が粉の増産を発表、ポラール側が民意取り込みに成功しているように受け止められています。
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Empresas Polar aumenta producción de Harina Pan http://www.laverdad.com/detnotic.php?CodNotic=36060
チリ等から輸入されている葡萄や林檎などといった果物もベネズエラ政府の判断で大幅に縮小され、市場で高騰し始めています。
既に今年前半の旱魃の影響で、青物野菜価格は30~50%も値上がりしており、チャベス大統領の食品会社攻撃は、貧困層の政府離れを促進しそうな気配を見せています。
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