2011年1月30日
今週は大雪のニューヨークに出張し、昨晩帰って来たのですが、到着した空港でまたベネズエラらしい手荒い歓迎を受けました。 今まで使っていたゴルフのドライバーが壊れたので、新しいものを買って帰ってきたのですが、飛行機で運ぶのに壊れては困るので箱に入れたまま(つまり新品と判る形で)持ち帰りました。 外国に旅行するベネズエラ人は年間3千ドル(昨年は2千5百ドル)の外貨枠を使ってよく買い物をしてくるのですが、中には大型液晶テレビやチャイルドシートなど、非常に大きなモノを買ってくる人が多く居て、こうした易損品(Filagil=フラヒル)は通常の手荷物受け取り場所のはずれにある、クレームカウンターの横の貨物エレベーター出口で受け取る仕組みになっています。 ゴルフクラブもこの範疇のモノなので、ここで通常より時間を掛けて待って(ターンテーブルのモノが出終わってから出てくる)、通関のエックス線検査(入国の時に検査がある稀有な国)を通して、外に出ようとしたところで、このクラブにケチがつきました。税関申告書類に記載していなかった、ということです。 個人使用のためのもので、価値は200ドルだから申告範疇でない、と言い張ったものの、パスポートを取り上げられ、別室に連れ込まれ、結局BsF.860の税金を課せられました。これは公定為替で換算すると、丁度申告ドル価と同等で、要は未申告=悪質なので罰として100%課税するということ。悪質に転売目的の商品を輸入しようと思っていたら、もっと手の込んだ方法を考える筈です。 昨年、パナマに旅行した際にパソコンのモニターやオーディオの類を持ち帰りましたが、この時は申告書類に何も記載しなくてもケチはつけられなかったので、何故今回に限りこうしたことが起こったのか、不審に耐えないものがありますが、ここはベネズエラ。パスポートも取り上げられているし、時間は深夜11時に差し掛かって空港周辺も危ない時間帯ですから、素直に言われた金額を支払って無事に釈放されました。 これまでにもコメを持ち込もうとしてエックス線検査で引っかかり、コメの購入価格以上の税金を払ったことがあります。また、行事で使用する為に酒の枡をダンボール箱に入れて持ち込んだ時にも、法外な税金を示されました。二回とも税額が品代を上回っているので、所有権を放棄する、と主張しましたが、税金を払えの一点張りで、結局パスポートを取り返すために税金を支払わざるを得ないことになりました。 今回もまた、同じ目に遭った訳で、「学習能力が無い」とも言われそうですが、税関で言いがかりを付けられるのかどうかは状況に応じて異なっており、トラブルが起こるのは得てして彼らが暇な時です。 午後3時から夜9時台までの、欧米の大型機が重なって到着する時間帯に、行列の中で通過すれば、まず大丈夫ですが、今回のように他の人達があらかた片付いた後、職員が大勢残って暇そうにしている時間帯が一番危ないと言えます。早朝便は職員も眠いので、あまり相手にされません。 今回の場合は、新品と思えない程度に適当に汚し、ホテルの洗濯袋のような安っぽい袋に入れてガムテープで巻いて、空港カウンターでは「易損品」のシールを貼ってもらって、到着したらそれを剥がす、というのが正しい処置であったと反省しています。
ベネズエラに来られる際は、持ち物には十分注意して、お持ち下さい。尚、今回は会社で導入する新品のパソコンも持ってきていたものの、これは自分が出張用に持って出たものと同じメーカーで、しかもあたかも両方使っているかのごとく包装を解いて洗濯物と一緒に入れていたので、お咎めはありませんでした。
ベネズエラで生き残るには、それなりの経験を積まなければならないことを改めて思い知らされたエピソードです。
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