2010年3月20日
今週は木曜日にカラカスでも久々にしっかりした雨が降りました。この雨のお陰で、これまで山火事の煙(humo)に覆われていた街も本当に久しぶりの爽やかさを取り戻して気分の良い週末になりました。
標高900mの街の北面に最高2800mのアビラ山脈(Cadena de Avila)が屏風のように立ちはだかり、カリブ海からの熱波を防いでくれる、というのがカラカスの気候の特徴ですが、最近では街を取り囲む山々のあちこちから火の手が上がり、この煙と自動車の排気ガスが混ざり合って朝から晩まで視界不良の状態が続いていました。
雨を待ち焦がれる中、毎日もっともらしい雲(nube ヌーベ)がかかるものの、一滴の雨も落とさずに日が暮れるという日々が続いていましたので、山の景色もどんどん褐色を帯び、どこでも火の手が上がりやすい状態になっていたので、今週は本当に恵みの雨が降って皆一安心したところです。
一方、今朝のEl Universalの一面トップの見出しは「Estiman que cota minima del Guri sera de 241 msnm」(グリダムの最低推移は海抜241m)として、このまま雨が降らないと、6月1日には”崩壊水位”と言われる241mに達してしまう、と警告しています。因みにmsnmというのはmetros sobre el nivel del mar(海面からのメートル)という意味で、これまで知られていなかった単位も頻繁に目にするようになっています。
また、地方都市やカラカス近郊では停電も断水も所謂計画レベルを超えて、事前に通達のあった時間以外にも発生するようになってきており、折角国を挙げて節電や節水に協力しても、成果はあまりあがっていないのが実態になっています。
グリダムの水位計は今や252mの段階まで下がっており、危機的水位まであと11mということになっています。確かに小生が12月22日にグリを訪問した際の水位が262mでしたから、3ヶ月で10m、すり鉢型のダム湖だから水量は下に行くほど少ないので、これに加速度が付くという理屈からすれば、このまま本当に雨が降らないと、5月末には大変なことになるかも知れず、また、強制的節電を強いられている製造業・商業での生産性・品質管理レベルの低下にも拍車が掛かりそうです。
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