2012年1月21日
某社の関係者が人気のレストラン街であるLas Mercedesの老舗ステーキハウスで夕食後、社有車で帰途についたところを後ろからつけられ、高速道路に入る直前に進行方向をブロックされ、いきなり銃撃を受け、おびえてドアを開けた運転手が引きずりおろされ、日本人は数十分市内を連れ回された揚句に身代金を要求されるという事件のニュースです。
幸い、防弾車だったので死傷者は出ず、しかも最後は手持ちの現金を巻き上げられただけで解放された、ということで済んだとのこと。
これまでも、渋滞の高速道路で詰まった道路で、脇をすり抜けてきたオートバイに乗った輩から銃を突き付けられたり、アパートの管理人を脅して自宅に入り込み、金品を巻き上げられると言った種の強盗事件があって、その度に皆怖い思いを共有していましたが、実際に発砲されたという事件はあまり多くありません。唯一、2008年の年末にカラカスに旅行に来ていた邦人が、知人の家で誤射されて亡くなる事件はありましたが、この事件は当地在住の人達が会ったことの無い人物の事件だったので、どちらかというと、一般の殺人事件の一つとして捉えられていました。しかし今回は有名な企業関係者が狙われた、という点で在留邦人や駐在員にも衝撃を与えています。
2月12日の大統領予備選に向けて、今や南米最悪とも言われる非安全の改善は各候補の最大の論点の一つになっており、これまで治安の悪化には目を背けてきたチャベス大統領も、漸く重い腰をあげて対策に乗り出す姿勢を見せ始めました。いわく「la Misión Seguridad」(安全ミッション)。
今朝のUltimas Noticias紙の一面トップの見出しによると、この新しいミッションは、「7 frentes contra el hampa」(犯罪組織と闘う7戦線)と題して、(1) Cultura de paz, freno a la violencia escolar y al sensacionalismo en los medios(平和の文化で校内暴力やメディアの煽りを抑制する) (2) Prevención Social (社会的予防) (3) mapa de delito y su entomo (犯罪地域の地図作成) (4) Reforma policial (警察の再編) (5) Reforma judicial (司法の再編) (6) Apoyo a investigadores (捜査への支援) (7) Operación Desarme (非武装化作戦)の、7つの対策を内務省が打ち出しています。
しかし、これらの対策一つ一つが如何なる効果を発揮するのか?全く理解できません。結局の処、反対派メディアを黙らせる為の新しい枠組みという内容でしかなく、「犯罪者の一掃=貧民への圧政」と勘違いしている為政者が居る限り、治安の改善は望めないかもしれません。今回のhampa対策もまた、半端な形で終わりそうです。
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中国からの支援強化を発表する大統領。手に持っているのは懐かしの毛語録。小学生の頃、学校で「ちびっこ猛語録」というのが流行りかけて、過激な内容に学校持ち込み禁止になりましたが、それも赤い表紙の本だったように記憶します。)
一方、1月に入って肌寒い日が続いていますが、今朝の生活欄の大見出しには思わず笑ってしまいました。「Baja temperatura en Caracas congela hasta los huesos」(カラカスでは低温で骨まで凍る)。
どんなに寒いか、想像できますか?
1月の昨日金曜日の朝5時に最低気温13.5℃を記録した、と騒いでいる訳です。確かに、朝方は少し冷える感じで、半袖で屋外に出ると、朝夕は鳥肌が立つイメージですが、それでも日本や欧米の寒さとは全く比較になりません。
今週前半出張で出かけたペルーのリマは今が夏の盛りということで、地元の人達は皆大いに暑がっていましたが、天気予報サイトで調べた気温は最高27℃、最低20℃。 確かに7-8月頃(真冬)と比べると、湿度が高く、少し蒸し暑い感じはありますが、そんなに暑がる程ではないんじゃないの?というのが日本人の肌感覚です。
下は今日のUltimas Noticias紙電子版に掲載されている天気予報欄の写真で、今日のカラカスは雨や霧雨が続き、最高気温は28℃、最低気温は16℃となるそうです。確かに最近はこんな雲に覆われることも多く、降雨の時間も長めなことが多くなっていますが、それでも日本の梅雨程ジメジメしている訳ではありません。一旦雨が上がれば庭も道路も1時間程度でカラッと水気が引くのがカラカスの良いところです。
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