2010年3月6日
カラカスは北緯10度レベル(ベトナム ホーチミンやフィリピン セブ島と同じレベル)と、赤道に近いとは言え、春分の日が近付いてきて日の長さが戻ってきたように感じる今日この頃です。
昨日は早朝、近郊都市に車で出張に出かけ、帰りが遅くなって夕方の7時頃になりました。その際に感じたのが街の暗さです。
勿論、毎日カラカスで暮らしているので、日々の変化には十分気付いている筈でしたが、同じカラカスの街でも外資企業が集まっているChacao区(街の東地区)と異なり、街の中心に当るPlaza VenezuelaからBello Monte地区にかけてほぼ一ヶ月振りに走ったのですが、同じ街であることが疑わしくなるほど暗くなっていたことに驚きました。
これが電力危機による「広告電飾禁止措置」の影響です。クルマは電灯を点けて走っているのですが、街の広告灯が点いていないとこんなに暗くなるものか、と思われる写真が、丁度今朝の新聞にも掲載されていました。
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"De noche esto parece funeraria"(夜になると葬式のよう)との見出しと共に、「El ahorro de energía ha restringido las actividades económicas」(電力節約は経済活動を制限)という記事です。
本来であれば外食に出かける人達で賑わう街一番の繁華街Las Mercedesも普段に比べると客足が少ない所為か、渋滞がさほど酷くなく、今週会合で出かけた際にも7時半の集合時間に多くの参加者が30分以上も早く到着する状況で、店の人曰く「電力規制は自家発電設備を持っていないレストランには致命的で、多くの店が自発的に夜の営業を見合わせている」とのこと。
これまでも、突然繁盛していたレストランや商店が営業を停止、何事かと思うと店先に張り紙がしてあり、「SENIAT(税務署)の命令により営業停止」ということは多々ありました。これは半分は税務署の嫌がらせという説もあるほど厳しい税収管理の賜物なのですが、こうした動きが電力においても見られるようになったようです。
当地のFunerariaは、カリブ諸島や米国南部一部地域のような明るいものではなく、あくまでもしめやかに執り行われますが、節電による街の暗さは、ホンモノの葬式よりも暗い感じがするもので、治安も益々悪くなる予感を抱かせます。
一方で今年が選挙の年(9月26日)であることから、貧困層へのバラマキは順調に行われている模様で、拙宅のアパートの近くにある低所得層の住宅地域では、昨年一年間鳴りを潜めていた住民ディスコと言えるような大音響での終夜パーティーが復活、週末毎に夕方から翌朝までガンガンとスピーカーを鳴らして騒いでいます。こういう処で使われる電力に対する制限こそ、必要と思うのは富裕層の贅沢でしょうか?
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