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ベネズエラの言葉 Expropiacion(エクスプロピアシオン)=接収・収用 英:expropriation

  • 執筆者の写真: Kaz Suzurida
    Kaz Suzurida
  • 2010年5月8日
  • 読了時間: 3分

2010年5月8日

今週は先週に引き続き、精肉業界と政府のせめぎ合いが何度もニュースとして取り上げられていました。末端価格を低く抑え、支持層である低所得者層にアピールしようとする政府側と、コストを下回る販売価格を強制されて、業務停止を余儀なくされる精肉業者との確執は、まだ暫く続きそうです。今週の報道で興味深かったのは、牛肉一頭当りの体重を450kgと想定した場合、精肉として販売できるのが60%に当る270kg、これを政府指示価格である平均単価Bs.F11.11で販売しても、一頭当りBs.F3,000の売り上げにしかならず、とても商売にならないという精肉協会のコメント。US$に換算すると$697(Bs.F4.30/$)、先週から大幅に下落している並行レート(Bs.F7.80/$)では僅か$384という計算になります。流通業者に末端価格を支配されている日本の生産者と同様、非常に厳しい状況と言えます。


更に今週は「カラカス近郊の都市MaracayのカントリークラブがAragua州政府に接収される」(Expropian espacios del Country Club de Maracay)というニュースが話題を呼びました。

Aragua州というのは首都カラカスを含むMiranda州の西隣で、食品工業の中心地でもあり、州都Maracayはカラカスから車で1時間半程度の距離にあるので首都との人・モノの往来も盛んです。この州知事Rafael Isea氏は、有名な大統領派若手政治家の一人ですが、昨年の大統領宣伝番組Alo Presidenteでチャベス大統領を迎えた番組放送中に「ゴルフはいかが?」と声を掛け、「馬鹿モン、ゴルフはブルジョアの遊びであり、社会主義の敵だ!」と一喝されたことで更に有名になった人物です。この模様は、チャベス大統領が尊敬するキューバのカストロ・チェゲバラ両氏がゴルフに興じる写真と共に動画サイトに掲載され、反対派に揶揄される結果を生んでいます。 


こうした経緯から、Isea知事は汚名返上の為に「社会主義の敵」であるゴルフ場の接収に踏み出したものと思われますが、当然のことながら、地元経済界をはじめ、多くの反対を受け、同クラブは事実上の閉鎖に追い込まれている模様です。


そもそも、ベネズエラのカントリー・クラブの多くはゴルフ場だけでなく、プールやテニスコート・乗馬場などを備えた社交場となっており、家族全員が安心して寛げる数少ない安全な場所になっています。従ってこうしたクラブには、政府派の石油会社重役等も頻繁に顔を出し、会社ではアポイントを取る事が困難な人物でも、意外に会えたりするメリットもあるのですが、こうした事情から、反政府派だけでなく、政府派の中にも今回の処置を苦々しく思っている人たちは多いようです。


一方、カラカス市内では50年代のJimenez独裁政権を打倒するきっかけとなった1957年1月23日の暴動を記念した地区23 de eneroの塀に、マシンガンを持ったキリスト像が描かれ、物議をかもしています。勿論、カトリック教会関係者は「神の冒涜である」とする一方、過激な一部大統領派は「平和維持の為には武装が必要」としてこの落書きを支持。善良な多くの市民は殺伐とした気持ちでこうしたニュースを眺めています。

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