2010年1月16日
今週の最大のニュースは12日にハイチの首都ポルトオプランセ(Port-au-Prince)で発生した巨大地震でしょう。日本でも頻繁に報道されている通り、20年以上に亘る政治の空白がインフラの整備(と言うか国の発展)を遅らせ、結果的に200万人都市の数パーセントの市民が亡くなるという大惨事になり、僅か40年ほど前の1967年6月に大地震を経験したカラカスでも不安が広がりました。 一方、同じ12日にカラカスでの電力の時間供給(Racionamiento)が開始されることになったものの、突然の発表に対応出来ない部分が大量に露見し、結局2日後には大統領が首都圏の計画停電の中止を発表、混乱は回避されたものの、今回の措置は現政権を支持する貧民層からも大きな不信感を持って受け止められました。 また、15日金曜午後1時半頃、ベネズエラの東端に位置するスクレ州の沿岸部を震源とするマグニチュード5.4の地震が発生し、カラカスの事務所エレベーターも緊急停止、ビルの管理会社が近隣の公園Parque del Esteへの避難勧告(Aviso del Evacuación)を発した為に、周辺のビルの入居者も含め千人近い人達が仕事を中断して公園に退避しました。 この地震、カラカスでの被害報道は一切無かった上、オフィスの中で体感した人は殆ど居なかったものの、昼休みにもテレビや新聞を通じてのハイチの惨状報道を目にしていた人達が「次はカラカスか?」と、過剰に反応したようです。今回も地震を示すSismo(シスモ)・Temblor(テンブロール)・Terremoto(テレモト)という単語が飛び交っていましたが、電力や水の対策を怠ったことが停電や断水につながったことを体感している中、地震対策についても皆が真剣に対策を考える好機になったと思 いますが、熱いものも簡単に喉元を過ぎるベネズエラ人気質、この緊張感を9月26日の国勢選挙まで保って欲しいものです。 ところで、先週ご報告した為替の切り下げ(BsF.2.15→BsF.2.60/BsF.4.30)ですが、今週は並行レート撲滅をスローガンに政府が大量のドル売りボリ買いオペレーションを行った模様で、月曜の並行レートはBsF.6.20-6.48/$と、先週の水準BsF.5.90-6.25/$よりはボリ安に振れたものの、その後は急激に反転し、BsF.5.65-5.87/$と、寧ろボリ高基調で週末を迎えました。先週末は為替切り下げに伴う逃避行動として高価な家電品を扱う店舗などが「間もなく値上げ」と言った便乗商法で賑わったようですが、今週は静かな週末を迎えています。 - 避難訓練(?).jpg
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