2011年4月16日
我が事務所の隣のビル等で展開されていた学生のハンストは既に終わったものの、今度は全国で看護士や看護婦がハンストを開始しました。
低い賃金や劣悪な職場環境に抗議して10以上の州の各地の病院でこうした動きが発生し、既に2週間以上が経過しています。中には学生の時と同じように唇を糸で縫って水分以外入らないようにする看護士も出ていますが、労働大臣はこうした動きを無視しており、今後も事態が収拾する見通しは立っていません。
一方、先週から雨がまた降り始め、今週は各地で激甚な被害が発生しています。下の写真は津波や地震の被害を受けた東北地方のもののように見えますが、全て今日のベネズエラ各紙の紙面を飾っているもので、水浸しなのはカラカス市内、崩れた道路はアンデス山脈の北端、タチラ州のものです。
これまで何度も掲載してきた写真の焼き直しのような錯覚さえ覚えますが、現在のベネズエラの問題はこうした被害に対する抜本的な対策が常に放置されることにあります。
特にタチラ州や第二の都市マラカイボを擁するスリア州など、西部地域の諸州は現体制への反対派が過半を占める地域であり、中央政府によるこうした地域への救済は、後回しにされ、「与党を支持しないとこうなるぞ」という生贄扱いになっています。
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写真左の解説:Solo los vehículos altos pudieron transitar en la zona(車高の高いクルマだけが通行可能)
写真右の解説:Más de cien comunidades están aisladas en Táchira(タチラ州では100以上の集落が道路寸断により孤立)
ベネズエラでは大型の四輪駆動車が最も人気であり、超大型車も沢山走っていますが、ガソリンが安い(2円/L以下)ということだけでなく、いついかなる場所でも普通車では走りにくくなるという特殊事情が背景にある訳です。
一方、首都カラカスでは2002年4月に発生したチャベス大統領への反対派によるクーデター失敗を記念して、大規模な大統領派の祝賀行進が開催されました。
生憎の天候にも拘わらず、街の中心プラザベネズエラから大統領官邸近くまでを大勢の貧困層市民とそうした市民で構成される民兵(Milicia)達が練り歩き、この影響で市内のあらゆる部分で大渋滞が発生しました。(雨と行進のダブルパンチ)
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民兵に支給される衣服代や武器代を削れば、治安が良くなり、インフラ整備に回す予算も増えると思うのですが。勿論、赤シャツや赤帽子も無料配布。
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