2012年4月14日
今週水曜日は、2002年4月11日に反チャベス派が蜂起して政権打倒を目指したクーデターの発生した10周年、そして13日はこのクーデターを終息させ、チャベス大統領が復帰した記念日として全国各地で大々的に祝賀行事が行われました。
今朝の反政府系紙El Nacional電子版のトップは、「Empapados por la lluvia chavistas festejaron el 13-A(雨でずぶ濡れのチャビスタ(大統領支持者)は4月13日を祝う)」という見出しとともに、全国から駆り出された支持者達のパレードの様子を伝えています。昨日は政府系の企業従業員はほぼ強制的にこのパレードに参加させられた為に、普段背広とネクタイで格好良く極めている取引先の皆さんも、真っ赤なシャツに身を固めて午前中の業務をこなし、午後からパレードに参加する為に出かけて行きました。
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印刷版の紙面では、「Aparecieron milicianos con el rostro cubierto(覆面の民兵登場)」として、反対派に容赦ない攻撃を浴びせる新しい脅威が写真入りで報道されています。
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いずれにしても、政府は10年前に行われた反政府クーデターが民主主義を否定する汚い行為である、と繰り返し宣伝していますが、1992年2月のチャベス氏本人による反政府クーデターを経験している身には、やはり違和感を禁じ得ない処ですが、身近な三十代の人達に当時のことを尋ねても「学校が急に休校になって嬉しかった」程度にしか覚えておらず、自分はこの国の民主主義の行方に不安を覚える年配の一人になりつつあることを自覚させられます。
今週の大統領は、キューバから帰って間もないのに、ウルグアイの大統領をカラカスに迎え、一緒に金曜日に今日から始まる米州サミットに参加する予定になっていましたが、大統領府前の大群衆に昨日行ったスピーチでは、「まだカルタヘナに行くかどうかまだ決めていない。医師団が言う事を聞かなきゃならんが、ここに居る皆さんの中で行かない方が良いと思う人は手を挙げて」と話しかけ、米国との対話が行われる会議への不参加を煽るような発言を行っています。(この群衆動画はかなり迫力があります。)
一方、「Entre lágrimas, Chávez le pide vida a Cristo(涙を流しながらキリストに生を乞うチャベス)」とした記事(Ultimas Noticias電子版)も掲載させ、 巧みに同情を引き寄せる作戦も取っていて、10年前に多くの反対に遭いながらも、今日まで13年に亘って権力を牛耳ってきた貫禄と余裕の裏に、人々が飽きてきたことへの焦りを感じさせています。 📷
さて、今日はタイタニック沈没事故発生100周年だそうですが、チャベス丸が沈没しないように支持者の皆さんに頑張って支えて貰う一方、ずぶぬれの支持者達が風邪など引かれないことを神にお祈り致します。
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