2008年12月21日
今朝の新聞El Universalの一面トップは「政府は旅行者用ドル枠を縮小」(Gobierno recortará cupo de dólares para viajeros)とういう見出しで、現在年間一人当たり5千ドルに設定されている個人の旅行用ドル枠を半分程度に削減しようとするというもの。日本でもわずか30年前までは海外旅行時の外貨の持ち出し規制が存在していた訳ですが、年間一人当たり5千ドルが3千ドル以下になるということは、海外旅行そのものが極めて困難になるということです。
国内で流通する商品の7割以上を輸入に依存するベネズエラでは、中産階級以上の国民は出張や休暇を利用して海外で多くの商品を調達することになっていますが、この措置により、海外での外貨の使用が現行以上に難しくなる訳で、当然のことながら、また色々な抜け道が考案され、汚職に繋がる懸念もあります。
一方、海外旅行に縁の無い低所得者層も帰省の為のバスの切符の手配が困難になっており、切符を入手するために延々と列を作って待ち続ける市民の写真と共に「忍耐も荷物のうち」(LA PACIENCIA ES PARTE DEL EQUIPAJE)という記事が同じ一面に掲載されています。
明日からの一時帰国休暇に備え、我が家でも荷物作りをしましたが、年明けには忍耐を強いられるこの国に帰ってくるのだという思いで荷物を詰めた次第です。
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