2010年6月12日
遂に始まったワールドカップ(copa mundial)。今週後半の新聞報道は、各紙とも一面はじめ多くの紙面をこの話題に割いています。
ベネズエラ代表は試合に出ていないものの、何ヶ月も前からラジオではコロンビアの歌手Shakira(シャキーラ)が歌う"Waka Waka"というテーマソングが流れ、街角では選手の写真カード交換所が出来、多くの自動車が応援するチームの国旗を窓から突き立てて走る光景が見られました。
前回駐在の'90年にもイタリアでのワールドカップ開催に遭遇し、普段サッカーに何の興味も示していないように見えたベネズエラの人達が、突然熱狂的サッカーファンに変身し、事務所の中でもテレビの前に釘付けとなって色々な国の応援をしている様子に違和感を感じましたが、何しろお祭り好きな国民性、しかも野球を国技としながらも、ヨーロッパからの移民の末裔が大勢いるので、スペイン・イタリア・ドイツ等の欧州各国をはじめ、ブラジル・アルゼンチンといった南米同胞への応援で大変に盛り上がるということを学習しました。
ブラジルでは自国チームの試合が始まると、会社は半休、商店も閉まってしまうそうですが、ベネズエラも向こう一ヶ月は事務処理速度が大幅に低下します。一方、あちこちの街頭に大型スクリーンが設置され(En Sucre el Mundial podrá disfrutarse en pantallas móviles)、試合の行われている時間は交通量も減るので、サッカーに興味の無い人たちにとっては平穏な一ヶ月が始まるといったところでしょう。
チャベス大統領もこうした国民の様子を敏感に察知し、電力供給制限を6ヶ月延長するとした直後に、「雨が十分に降っているので一般消費者向けの供給制限は取りやめる」と発表、テレビ視聴時間が長くなることに寛大な姿勢を見せています。
一方、今週のニュースとして、チャベス大統領による食品コングロマリットPolar社への弾圧が強化されている報道が目立っています。 「Franquiciados de Polar afirman cumplir las leyes」(ポラールのフランチャイズ加盟店は法令順守を確認)とするニュースでは、大統領がテレビで貧民街でのビール販売を禁止する指示をしたことに反発し、流通業者が「順法行為を差し止めるのは横暴」と反発する様子が報じられ、「Chávez estudia nuevo impuesto a licores y cigarrillos」(チャベスは酒とタバコへの新税を検討)という記事でも、ブルジョア代表Polar社メンドーサ社長への攻撃のつもりが、その消費者である貧民を苦しめる結果を招いていると報じられ、折角の電力制限撤廃も効果を見せないことになりそうです。
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