2011年4月30日
先週から今週にかけて、各メディアは頻繁に英王室の結婚式に関する報道を流していました。
建国二百年に満たない若い国ベネズエラでは、旧宗主国スペインも含め、王室を持つ欧州各国や日本に対する憧れのような感覚があり、今回の結婚式に関しても並々ならぬ国民の関心を集めました。
面白いのは、英王室の方々を紹介する際に、英語名をスペイン語化する傾向がいまだにあることです。
どういう事かと言うと、ウィリアム王子はPrince WilliamでなくPrincipe Guillermo(プリンシペ ギジェルモ)となります。結婚後は本名のKatharineと呼ばれることになったKateさんはスペルが少し違うCatherineでカテリーネと読まれます。
スペイン語と英語で名前の読み方が違う極端な例がWilliamとGuillermoではないか、と小生は思いますが、5月1日にバチカンで列福(beatificacion)されることで当地紙面を賑わしているヨハネ・パウロ二世は、スペイン語のJuan Pabro II(フアン・パブロ・セグンド)よりも英語のJohn Paul II(ジョン・ポール・ツー)に違和感を覚えることもあります。
ともかく、キリスト教国の人々の名前は、聖人から得たものが多いので、英語とスペイン語(或いはその他言語)で全く違うスペルや音なのに同じ意味を有することが多々あり、時々戸惑いを覚えることになります。因みにお馴染みの地名もスペイン語読みだと様子が違います。典型的なのはNueva York(ヌエバジョルク)。初めて聞く人には全く違う場所と思われます。
さて、明日はメーデー。カラカス市内で大統領派と反対派による大規模なデモ行進(Marcha)がそれぞれ予定されています。
左翼チャベス政権では、メーデーを重要な政治イベントと位置づけており、今回も5月1日以降、最低賃金の引き上げ(5月1日に15%、9月1日に10%)と、低所得者への救済策を打ち出しました。簡単に言うと、低所得者に対して事業者は給与の他にCesta Ticketに代表されるフードチケットの支給を義務付けるというもの。フードチケットの義務付けそのものは以前からありましたが、今回は最低賃金(BsF.1407.47)の三倍以内のレベルの従業員に対し、一日BsF.19分を出すべしと規定しています。つまり、BsF.4222.41以下の月給の人たちは、BsF.570(一ヶ月30日として)分の実質的な増給となる訳で、低所得者層はこの決定を大いに支持する一方、企業家達からは大きな反発の声が上がっています。
おなじみライマさんの風刺画。フードチケットが如何に増えたか、上手く伝えています。📷
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