2011年4月9日
7日木曜日午後3時半頃に久々の大規模な全国停電が発生、先週の地下鉄停電で混乱した市内は改めて混沌とした状況となった模様です。
丁度停電が発生したこの日、国内電力供給の7割を担う内陸部のグリダム周辺を視察に行っていたのですが、水力ダムのお膝元の街Puerto Ordazでは停電は発生しませんでした。
昨年も頻繁に発生した各地の停電を「水不足による発電ダムの水位低下が原因である」と政府は説明していましたが、今回はグリダムの水位は満水(271m)に近い267.5m、ダム周辺では停電が発生せず、カラカスやマラカイボ、アンソアテギといった海岸部の人口集中地域10州で発生したことで、明らかに送電網の問題であることが露呈したことになります。
この停電、本日の新聞報道によると「Apagón de este jueves es el más severo de los últimos diez años(木曜日の停電は過去10年で最も深刻)」というものであったようで、電力大臣は直ちに計画停電の可能性を示唆、東日本と同様、ベネズエラ全土も今後更に厳しい状況を迎えることになりそうです。
一方、週初めのUltimas Noticias紙で目に付いたのが「La basura flota en las quebradas(渓流の浮遊ゴミ)」という記事。
河川に放り込まれる(或いは流れ込む)大型のゴミが新たな社会問題になっているということですが、実はこうした問題は昨日今日発生したものではなく、電力も含め、メインテナンスにカネをかけないベネズエラの気質があらゆるところで小さな障害を蓄積し、一気に大問題として噴出することになる訳です。
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来週はいよいよSemana Santa(聖週間=復活祭)、敬虔なカトリック教徒は肉食を控え動物性タンパク質の摂取は魚に切り替える時期ですが、昨年3月に政府が水産資源保護の名の下に底引き網漁やトロール漁を禁止した結果、漁獲量が激減し、昨年も大幅に値上がりしたマグロやクルビナ等の価格が更に高騰しています。
昨年も減少した魚の消費量は更に減って、カラカスの台所と言われるQuinta Crespo市場でも今年は鮮魚部門の販売額が昨年同期比半分以下に減っているとのこと。今年のSemana Santaも鶏肉で済ませる家庭が増えているようです。
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La Guaira港の魚市場の店舗
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