2018年1月27日
今週は10年前に二回目のベネズエラ駐在となって着任したときに最も権勢を揮っていた二人に、厳しいニュースが流されました。
一人目はベネズエラのRafael Ramirez氏。
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2004年から14年の11年もの間、ベネズエラ石油公社PDVSAの総裁を務め、同時にエネルギー鉱山省の大臣でもあった人物で、チャベス前大統領の存命中は故人の信任を最大に受けて、大統領に次ぐ権力者でしたが、元々民間のエンジニア出身であり、チャベスの死後、軍部が掌握する政府からは疎まれ、国連大使のポストを得て国内に距離を置いていました。そのポストも昨年末にマドゥロ大統領によって解任され、今週は遂にサアブ検事総長から国際指名手配の対象として逮捕状を用意したと発表されました。https://es.panampost.com/orlando-avendano/2018/01/25/dictadura-venezolana-aprehension-rafael-ramirez/ 世界一の埋蔵量を誇るベネズエラの石油産業を崩壊に導いた張本人ですから、逮捕されても文句は言えませんが、同じ穴のムジナの抗争、ではマドゥロやカベージョはどうなんだ?と首をかしげざるを得ません。 2メートル近い大男のラミレス氏とは何度か会う機会がありましたが、握手したときの印象は亡きチャベス大統領と同じく、柔らかい手の人だな、というもので、この図体に似合わない高音でか細い声から、随分イメージとかけ離れた人と感じたものです。 二人目はブラジルのルラ元大統領。 📷 在職中の汚職で起訴され、一審で有罪宣告を受けて控訴審で争っていましたが、今週水曜日の判決で、一審判決支持が言い渡され、今年10月の大統領選挙への出馬は極めて困難な状況となりました。 http://www.ultimahora.com/abogado-entrega-el-pasaporte-lula-la-policia-federal-brasilena-n1130809.html ルラ氏とも握手を交わしたことがありますが、その手は流石元金属加工工の苦労人と判るゴツゴツした感触で、チャベスやラミレスの柔らかさとは好対照と思いました。2003年から11年までの大統領在職中は圧倒的な支持率を背景に南米中に君臨し、チャベスを通じてベネズエラから巨額の資源マネーをブラジルに吸収し、自身の政権基盤強化に充てた訳ですから、これまた許されるべきではなく、然るべき贖罪をして欲しいと思いますが、この二人に下された判断を見ると、政治家の10年は恐ろしいものだと、うすら寒く感じる次第です。 今週は日本からのお客様に随行して、パラグアイのJuan Afara副大統領にもお目にかかりましたが、自分と同じ年齢のAfara氏の手の感触は、Santa Rosaという農村で育ったことをシッカリ伝えるゴツゴツ感に満ちていました。 📷 http://www.abc.com.py/edicion-impresa/politica/juramento-de-cartes-en-el-senado-seria-motivo-de-una-crisis-politica-1668320.html 今年はコスタリカ(2月)・パラグアイ(4月)・コロンビア(5月)・メキシコ(7月)・ブラジル(10月)の他、ベネズエラでも4月に大統領選挙が行われるといわれており、首長が変わる節目の年でもあります。新たに選ばれた人達が10年後も安寧の暮らしを続けておられるべく、まっとうな人物が選ばれる様に願わざるを得ません。 ところで、今週サンパウロから来た出張者が、パラグアイに何度も来ていて初めて黄熱病予防接種の証明書イエローカードの提出を求められたといっていました。 http://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000506.html 従来からブラジルでの流行を受けて可能性は示唆されていましたが、正式に渡航要件となったのは初めてかも知れません。 ブラジル経由パラグアイにお運びの方はご注意願います。
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