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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ブラジルの言葉  tempo(テンポ)=時間  英:time  西:tiempo

2014年10月19日

ここ何年も習慣として朝5時から6時の間に目覚めるようになっていたのですが、今朝目覚めて携帯電話の時計で時間をチェックすると06:50。日曜だから良いものの、何でこんなに寝てしまったのか?といぶかりつつ、着替えて日課としている朝の運動の為にアパート内にあるジムに降りて行きました。アパート内にジム、と言うと随分贅沢なイメージがあるでしょうが、ブラジルでは中流レベルのアパートでも運動施設が用意されているのが当たり前なようで、ベネズエラやペルーとの意識の違い(?)を感じさせられます。

で、ジムで運動を始めようと、壁掛け時計に目をやると、06:00となっています。「ん、何故だ?」と一瞬考え、理由を思い出しました。今日から夏時間の採用で、時計が1時間進んだのです。

来年の2月21日まで、日本との時差はこれまでの12時間から11時間に短縮されますのでブラジルと連絡のある皆様、ご注意下さい。

さて、今週末は家内と娘がリマに残留している次男の処に出掛けた為に、久々に一人だけで過ごす週末を迎えましたが、昨日土曜日は会社の仲間達と一緒にサンパウロ郊外の東山農場という農園に行ってきました。

ここは三菱グループの創始者 岩崎弥太郎の長男でグループ三代目総帥の久弥氏が1927年に購入、ブラジルに科学的な農業を持ち込んだ先進農場の一つとなった場所で、今でも標高670m、240haの場所で120万本のコーヒーを作付している他、近隣の工場で日本酒・醤油・味噌等の醸造物も製造され、日本とブラジルの食文化の懸け橋になっている施設です。

1888年に奴隷制度が廃止されたブラジルですが、この農場も1798年に元々ポルトガル人の手で開かれ、どれ労働力を基礎にして発展したものの、1920年代は世界中が工業化の進展によるバブル景気に沸いていた時代、元々のオーナー家族は後継者たちがサンパウロの街で生活することになって農園を売りに出し、これを購入したのが岩崎久弥氏であったとのことで、アジアだけでなく、広く世界に目を向け、生来の食糧確保に思いを馳せて農業の専門家を育成すべく日本から高名な指導者を招いて農業振興を開始したというのは、今の日本では中々考えられないスケールの大きさ、と改めて感心させられました。

しかし、1927年と言うのは、まだ100年にも満たない時間であり、では今度の100年に向けて今自分たちが何をすべきか?と考えると、やはり久弥氏の様に「日本の国土にとらわれず、広く世界に視野を向けて将来の生き残りのための手を打たなければ」と考えざるを得ません。

今日はこれからサンパウロの旧市街セントロ地区にある歴史的建造物Teatro Municipal(私立劇場)で行われるクラッシック音楽の演奏会に出掛けてきます。演目はベートーベン交響曲8番、ここでも悠久の時間に身を委ね、来る未来に思いを馳せようと思います。

📷

それにしても1時間時計が早まると、掃除やら洗濯やらしている間にあっという間に午前中が過ぎ去ろうとしています。限られた時間を大切に考えるためにも、この新たな時差、良い経験と思います。

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