2014年12月20日
クリスマスを目前に控え、南米にとって大きなニュースが伝えられました。
Fatores regionais e globais permitiram reatamento de Cuba e EUA
(地域と世界の情勢が米国とキューバの対話再開を後押し)
このFolha紙の見出しは「Fim deo isolamento」(断絶の終了)で、これまで50年以上に亘って対立してきた米国によるキューバの孤立政策が終わるであろうことを歓迎しています。
昨年12月10日にヨハネスブルグで行われた南アのマンデラ元大統領の追悼式典でラウル・カストロ国家評議会議長とオバマ大統領が握手を交わしてから一年、遂に南米に大きな転機が訪れたと言っても良いでしょう。
ベネズエラの新聞El Universalも大きな見出しで「Barack Obama ordena reiniciar diálogo con Cuba(オバマ大統領がキューバとの対話再開を指示)」と報道。
実はこのところの原油価格の低迷で国内経済の混乱に拍車がかかっているベネズエラでは、例によって不景気と経済退行は国内の反対派と米国政府の所為だ、とのすり替え理論で米国政府を非難してきました。
加えて木曜日にはオバマ大統領がベネズエラの政府弾圧を巡って政府関係者のビザを停止し、米国内の資産を凍結する法案に署名したことから、ベネズエラ政府は大いに反発して同盟各国の同意を求める動きに出たばかり。マドゥロ大統領にとっては、絶妙なタイミングで出ばなをくじかれた格好です。
表面上は米国とキューバの関係歓迎を「キューバの勝利」として歓迎しつつも、内心は複雑な心境にある、と言うことでしょう。
キューバは元々米国富裕層の避寒地で、1959年の革命直前までは中南米で最も米国に近い国であった訳ですが、革命後カストロ議長が米国の資産を凍結、これに反発した米国政府がキューバ最大の輸出産品である砂糖の輸入を禁止、経済封鎖を試みたもののソ連がキューバを救済して核ミサイルを持ち込み、世界核戦争になりかかったことから、東洋における北朝鮮の様な扱いを受けている訳ですが、国交回復が実現すると、キューバをお手本にしていた反米主義の中南米諸国には大きな打撃になることは確実で、オバマ政権には本件の実現を求める強い声と、対立を背景に稼いできたグループからの反発とで、暫く混とんとした情勢となるでしょう。
これまで中南米の反米諸国をカネの力で扇動してきた中国にとっても、この動きは非常に不快なものとなる筈です。
今週はテロ予告で、北朝鮮のパロディ映画が上映中止になったというニュースが流れましたが、ベネズエラの新聞電子版を観ていたら、今年公開された独立の英雄シモン・ボリーバルを描いた作品「Livbertador」がアカデミー外国映画賞の候補に選ばれた、というニュースも出ていました。
ブラジルではまだ公開されていませんが、冬休みに観てみたいと思います。
もう一つ、映画の話題。パディントンベアというイギリスの絵本の話が実写映画化され、欧米ではクリスマスシーズンに公開されるとのこと。
何故、唐突にパディントンの話が出るかと言うと、先般ペルーの調べものをしていたところ、このキャラクターはイギリスで作られたものの、筋書きとしてはペルーのジャングルで生まれてイギリスに渡航したペルー国籍のクマであることが判明、映画でも冒頭のシーンでペルーのジャングルが出てくる様です。
ペルー生活の二年間ではジャングルには一度も行ったことが無かったので、この映画でペルーの別の様子を観てみたいと思います。
では、Feliz Natal!
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