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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ブラジルの言葉 previdência(プレビデンシア)=先見・予知 英:forecast, pension 西:prevision

2016年1月9日

新年もあっという間に一週間が過ぎて、いよいよ来週からは学校も始まって社会の動きも活発になると思われます。

一方、4日から通常モードに入った一般世界では、年明け早々日本・中国・米国等の株価急落と同時に円高・レアル安という通貨相場の変動が発生、1レアルの価値は昨年9月に瞬間的に付けた1ドル=4レアルを再度切って、今週は一週間を通じて3レアル代に戻らないレアル安相場となりました。

そんな中、木曜にDilma大統領が年金制Previdênciaの見直しについての発言がありましたが、これが良く読んでみると、如何にも羨ましいような内容であったのでご紹介します。

'Vamos encarar a reforma da Previdência', afirma Dilma(ジルマが年金問題取り上げ表明) http://www1.folha.uol.com.br/internacional/en/brazil/2016/01/1727314-lets-face-pension-reform-says-president-rousseff.shtml?cmpid=newsEN

先月68歳になったばかりの彼女が言ったとされる「não é possível que a idade média de aposentadoria das pessoas no país seja de 55 anos」(引退の年齢が55歳からなんてありえないでしょ)ですが、満55歳になると年金が受給できる現行制度を導入したのは彼女の出身母体の労働者党PTです。

今回の大統領発言は、流石に55歳支給開始じゃ若すぎて国庫を圧迫するから、受給対象年齢を見直そうというモノですが、現在55歳の身としては、ブラジルは甘すぎるんじゃないの?でも羨ましい、と感じる次第。

人口ピラミッドを観ると、55歳以上の人口比は非常に小さいので、理論的に不可能ではない制度でしょうが、やっぱり55で引退推奨と言うのは無理があり過ぎます。

実は昨年の正月にもDilma大統領は年金制度の改正を行っており、この時までは受給者が亡くなっても配偶者が代わりに年金を受給し続けられる、という制度が存在し、若い女性が高齢の男性と結婚し、配偶者のオジイサンがすぐに亡くなっても、若い未亡人は年金暮らしが出来る(オバアサンと若旦那のケースも)という年の差婚を推奨するようなものでした。


改正後は配偶者が44歳以下の場合は年金支給は配偶者の死後3年まで、となった様ですが、45歳過ぎなら引き続き代理受給可能、うーん悩ましいですね。

どうりで、レストランなどで若い女性を伴ったチョイ悪風ジイサンを大勢見かけた訳です。

こうしたカップル、最近でも見ない訳ではありませんが、一年前よりは減ったかな?


今日の言葉previdênciaは、通常は先見とか予知といった意味ですが、大文字で始まるPrevidênciaにはブラジルでは年金と言う意味が含まれます。ブラジルは先見の明のある若い人が楽ちんな長い余生を楽しめる国であった、と言う事でしょうか。


さて、先週は主要紙の元旦号をご紹介しましたが、複数の方々から「オリンピックの事に触れていないの?」とのご質問を頂きました。


正直なところ、正月以降の新聞やテレビをチェックしてきましたが、サンパウロで観ている限り、オリンピックに関する記事や番組はほとんど見かけず、むしろ日本からの報道の方がリオも東京もオリンピックだ!と言う気合一杯の盛り上がりになっているように見えました。

日本の皆さんにとっては意外に思えるかも知れませんが、これが景気後退に苦しむブラジルの実態で、オリンピック浮かれている場合ではないという感じです。でも恒例のカーニバル準備に関するニュースはシッカリ出始めています。


今朝のトップニュースは、2015年一年のインフレ率が年末までの政府見通しを大幅に上回り、10.7%に達したとのことで、2002年(12.5%)以来最悪の数値となったようです。昨年は電気やガソリン、食品等の値上がりが激しく、300%超とも言われるベネズエラに比べれば随分穏やかに見えるものの、デフレが続く日本から観ればビックリポンな状況ですね。

生活が厳しさを増す今こそ、previdênciaの能力を持った指導者に出てきて欲しいと国民は熱望しています。

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