2015年1月18日
石油相場の下落傾向が続いていますが、今日のO Estado de Sao Paulo紙に「Petróleo em queda afeta a America Latina」(石油価格の下落がラ米に与える影響)として、ブラジル・コロンビア・メキシコ・ベネズエラと言うラ米主要産油国での経済的影響についてのレポートが挙げられています。
紙面には各国のあらましや2011年から2017年までのGDPの伸び率実績・予想がグラフと共に掲載されていますが、O Estado紙もFolha紙も最近は電子版の記事に著作権保護の仕組みを組み込んでいますので、残念ながら現物をお見せすることは出来ません。
この記事によると、2013年の各国の石油産出量日量は、ブラジル2.1百万バレル、コロンビア1.0百万バレル、メキシコ2.8百万バレル、ベネズエラ2.6百万バレルで、似たような生産量であるのですが、年次PIB成長率では以下のように大きな違いが出ています。
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
ブラジル 2.7% 1.0% 2.5% 0.1% 1.0% 2.5% 2.7%
コロンビア 6.6% 4.0% 4.7% 4.7% 4.4% 4.3% 4.3%
メキシコ 4.0% 4.0% 1.1% 2.1% 3.3% 3.8% 3.8%
ベネズエラ 4.2% 5.6% 1.3% -3.0% -2.0% 0.5% 1.5%
一方、国の豊かさを示すPIB per capita(人口一人当たり国民総生産)や失業率、インフレ率は、
ブラジル US$11.1千 4.8% 6.4%
コロンビア US$ 8.4千 9.3% 3.3%
メキシコ US$10.8千 4.8% 4.0%
ベネズエラ US$ 6.9千 8.0% 69.8%
と、厳しい数字が並ぶものの、コロンビア・メキシコは原油安の影響を受けにくい経済状況であると示されています。 今日の言葉PIBはProduto Interno Brutoの略で、ほぼ同じ綴りのスペイン語ではペーイベと読みますが、ポルトガル語ではピビと読まれる様です。最後に子音で終わる文字の読み方は聊か滑稽に思えます。 例えば007James Bondですが、名前は何故かジャメスではなく、英語風にジェイムスと読まれるものの、名字はボンジとなって、「ジェイムス・ボンジ」と訳されるので、テレビで観ていると笑えて来ます。 Internetもインテルネッチ、お菓子のKitKatはキッチカッチとなります。 で、話をPIBと石油に戻しますと、この記事では、原油価格の下落の影響を最も大きく受けるのは税収の約6割、外貨収入の8割を石油が占めるベネズエラとなっており、これは誰が観ても自明なのですが、面白いことに上述のようなPIB成長率の予想を挙げながらも、ブラジルよりメキシコとコロンビアの方が原油安の悪影響を受けるだろうとしています。 ブラジルは総人口が4か国の中で一番多い2億人。(メキシコ1.2億・コロンビア4.8千万・ベネズエラ3千万)石油の生産量は総需要を満たすに至っていないので、輸入依存しており、この輸入部分で原油安の恩恵を受けると言う分析です。 勿論、国営石油会社Petrobrasが進める大西洋の超深海油田開発のプロジェクトを難しくするとも書かれているものの、むしろ他国の方が深刻とすることで、国内の批判や懸念を避けようとしているのでしょうか? ところで今日のO Estado紙はいつもにも増して分厚く重い構成となっていて、何故かと思いきや、なんと今日が発刊140周年なのだそうです。 http://infograficos.estadao.com.br/public/especiais/estadao-140-anos/historico.html 昨年5月にペルーのEl Comercio紙が175周年を迎えたことと比べると、まだ新しい新聞ということになるのでしょうが、1875年創刊と言うことは、讀賣(1874年)や朝日(1879年)と同じ程度の歴史を持つ新聞ということになる訳で、今日はこの特集号にジックリ目を通すことで、猛暑の午後を過ごそうと思います。 http://elcomercio.pe/lima/ciudad/comercio-cumple-175-anos-y-celebra-contigo-noticia-1727044
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