2015年3月14日
日曜に日本から帰ってきて、いきなり町中で鍋叩きの音が始まったことに驚いた、と先週書きましたが、やはりこれはブラジル全土で行われたpanelaço(パネラソ)=抗議の鍋叩きであったことが判明しました。
この鍋釜を叩いて騒音を出して政府に抗議する手法はベネズエラも何度も聞いており、スペイン語ではcacerolazoと言いますが、ポルトガル語では鍋がCacerolaではなくてPanelaなのでpanelaçoと言う風になっています。どうやらこれは南米にで始まった風習の様で、英語で調べても適当な言葉が出てきません。フランス語ではCasseroleで、スペイン語に近いですが、フランス語で鍋叩きに該当する言葉も辞書では見つかりません。どなたかご存じの方が居られたら教えて下さい。
高級住宅街でも聞こえた、と書きましたが、先週の鍋叩きは貧民救済型ポピュリズムと汚職とが複合的に問題を高度化した現政権に対する抗議行動であることから、全国的に上層階級が多くこのイベントに参加した模様であることが判りました。
一方、今週金曜には、Lura全大統領の出身母体であるCUT(Central Única dos Trabalhadores=労働者中央協会)が主催して、大規模なデモ行進がサンパウロ市内で行われました。これは直截に現政権を批判するものではないものの、政府与党(PT=Partido dos Trabalhadores=労働党)によって厚く庇護されてきた労働組合が自分たちも決して現状に満足しているのではないことを示す為に立ち上がったもので、明日日曜日に全国で予定されている反政府大規模集会に先立って、政府をけん制する意味合いがあった模様です。
このように、泥沼化の様相を呈してきたブラジル政界ですが、今週はペトロブラス疑獄事件(Lava Jato事件)で新たな証言が取り上げられ、ジルマ大統領の再選の為に30万ドルの金が動いた証言が、司法取引に応じた元ペトロブラス社幹部から報じられ、いよいよ大統領本人が主役の座に引きずり出される状況になってきました。
この報道では、司法取引に応じて証言台に立ったペドロ・バルスコ元PB社課長が各紙に主役として紹介されるものの、恥知らずな告発者(delator sem pudor)と揶揄されて、彼の証言を得て日曜のデモ行進が更に激化するとの見通しもたてられています。
サンパウロでは今週も激しい雨に見舞われ、またまた道路の冠水や街路樹の倒木による道路封鎖などの混乱が生じましたが、一方で懸念された水不足に関しては主水源であるCantareira貯水池の貯水率が13日の時点で14.5%にまで回復し、市や州の関係者はこのまま雨が続くことを期待するコメントを発しています。
ところで、今年は日本ブラジル修好120周年、パラナ州日本人入植100周年、パラナ州と兵庫県が姉妹州県提携45周年という節目の年となることから、今週は梅田邦夫 在ブラジル日本国大使がパラナ州を訪問、サンパウロ州に次いで日本人移民の多い同州で、ヒシャ(Richa)州知事以下多くの関係者との面談を持たれた他、州内の各地を訪問され、日伯の関係強化の為に更なる尽力をされる旨、発言されていました。
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鏡割りをする梅田大使(左から3人目)とRicha州知事(大使の右)
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