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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

ブラジルの言葉 cerrado(セハード)=閉ざされた・密集した 英:closed/thick 西:cerrado

2016年5月14日

今週は新規案件の発掘でブラジル中部の穀倉地帯を訪問してきました。

以前もご紹介しましたが、ブラジルは今や世界一の大豆輸出国に成長していますが、栽培の歴史は浅く、1882年に南米で初めてバイア州にヨーロッパから持ち込まれたものの、本格的な栽培は1908年に日本の農業移民が自家消費用に日本から持ち込んで、醤油や味噌の製造を始めたことがきっかけになっています。


肉と黒豆やイモ類といった限定的な食材しか無かったブラジルの食文化は日本の農業移民の活躍によって大きな変貌を遂げました。現代のブラジル人が多くの野菜を食べ、塩以外の調味料が普及するようになったのも、農業移民の皆さんの御蔭と言い切れる訳です。


加えて、1974年に日本から田中角栄首相がブラジルを訪問し、当時文字通り閉ざされた密林地帯であったCerrado(マトグロッソ・パラナ等7州に亘る当時の未開発エリア)の開墾に対する協力を約束・実行したことで、日本の国土面積(38万㎢)の五倍以上に相当する二百万㎢ものエリアでその約四割に相当する75万㎢が開墾され、大豆やトウモロコシが栽培されるようになりました。


Cerrado開発以前はコーヒーとサトウキビしか知られていなかったブラジルの農業が大きな変貌を遂げ、1950年代半ばに漸く10万トンに達した大豆の生産量は、2015年実績で8千万トンを超える生産量となって、ブラジル国家収入の三分の一は農産物の輸出で得られるほどの大産業に発展したキッカケが日本人農業移民や田中角栄元首相にあったことは、もっと広くブラジルで認知されるべき歴史的事実であると思います。

この未開発の土壌を農業生産に適したモノに変える為に、これまで多くの化学肥料や農薬が使われ、農薬では世界最大の消費量となっている訳ですが、その結果土地の疲弊が進み、また、大漁の地下水くみ上げで地下水源の量や質が劣化したことで、有機農業への期待感が高まっており、日本で求められるような有機栽培作物が今後増えると言われています。


今週は水曜日にジルマ大統領の弾劾裁判審議開始が上院で決議され、大統領の資格が180日間失効することになり、テメル副大統領の昇格による暫定政権が発足することになりました。これによりジルマ政権での全閣僚が辞任し、新しい大臣が指名された訳ですが、農業大臣は、Cerrado北部新興地域であるトカンチンス州出身のKatia Abureu女史から、開発の歴史では最も古いパラナ州出身で、大農業会社AMAGGI社のオーナーでもあるBlaorp Maggi氏に交代、新たな土地の開墾に力を注いできたAbreu前大臣とは異なり、現状の改善に力を注ぐことになるのでは、と言われています。

📷 写真:Temer暫定大統領(左)とMaggi新農業大臣


そもそも自身も各種の汚職に関する嫌疑をかけられているTemer暫定大統領が、求心力を得られるのかどうか?は極端な不振にあえぐブラジル経済を早急に立て直せるかどうか?に掛かっており、その意味では新たに任命された各大臣の手腕にも大きな注目が集まっています。


ところで、明日中日を迎える大相撲5月場所では、ブラジル・サンパウロ出身の魁聖関が小結として初の三役で出場していることに注目が集まっていましたが、星の方は現状二勝五敗と苦しい状況。やはり上位に勝てないと更に上を目指すことは難しい訳ですから、ブラジルの新政権同様に大いに奮起してもらいたいものです。


これまで多くの大企業からCerradoな密室で多額の賄賂を受け取って、その企業に有利な政策を打つことで貧困層へのバラマキ資金を確保することで低所得者層からの支持を盤石にしてきたPT=労働党政権でしたが、Temer新政権では出来るだけ情報を開示してブラジル経済の再開拓に力を発揮してもらいたいですし、魁聖関も積極的に出稽古に出向いて力をつけて欲しいと期待します。


それから、二年続けたブラジルの言葉もあと二週間でcerradoとなります。ベネズエラ・ペルーから今のブラジルまで大勢の方々から応援メッセージを頂きましたが、こちらも6月から新シリーズに変わるタイミングで、送付先の見直しを行っています。今まで反応を頂いていない方々は新たな送付先には加えないこととさせて頂きますこと、改めてご案内申し上げます。

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