2016年9月17日
先週は移住80周年記念式典で大いに賑わったアスンシオンですが、来賓として臨席下さった眞子内親王殿下は、その後パラグアイ国内の地方各地の日本人移住地を御視察になり、今週水曜日にイグアスの滝で有名なCiudad del Este(東の街という意味)から橋を渡ったブラジル側のFoz do Iguaçu(イグアスの河口と言う意味)に移動され、そのまま帰国の途に就かれて金曜日に帰国されました。関係者には大変なご苦労だったことと思いますが、24歳の若さとは言え、ご本人にも大変なハードスケジュールだったことと想像します。
天皇陛下の生前退位が話題になっていますが、国内のみならず、世界中を巡幸して各地の日本人を励まし勇気付けてこられた天皇家のメンバーとして、本当に素晴らしいご来訪であったと、各地の邦人に喜ばれたパラグアイ御訪問でした。
で、先週の式典の際に、記念品の贈呈という場面があって、来賓として参列頂いたカルテス大統領には陶器のお皿(日本の焼物)、眞子内親王殿下へは、パラグアイ含む南米南部地域(Cono Surと言います)の象徴的文化と言えるyerba mateやTerereを飲む器であるGuampa(グアンパ)が贈られていました。
このGuampa,牛の角を綺麗に磨いて作ったものが基本ですか、それに銀の細工を施したりした立派な工芸品として、当地方では贈答用にも多く供されています。
このグアンパにマテ茶の葉っぱYerba de Mateを入れて、そこのお湯や冷たい水を入れてボンビージャ(Bombilla)というフィルターの付いたストローで飲むのですが、ブラジル南部・西部を含め、パラグアイ・ウルグアイ・アルゼンチンでは老若男女如何なる世代でも、グアンパ・ボンビージャとお湯や冷水を入れる大きな水筒を一緒に持ち歩くのが一般的な姿になっています。
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因みにBombillaはこれ以外の地域では電球のことですので、ご注意下さい。
今時は日本でもネット通販でボンビージャやグアンパ・マテの葉を売っています。ご興味のある方は是非お試しを。 マテの葉はYerbaと書きますが、一般的にはハーブを意味するスペイン語はHierba(イエルバ)ですが、麻薬を指す隠語としても使われる為に、区別する為にパラグアイではジェルバとなっている様に思われます。 一方、これらマテ茶関連は、興味の無い人には面白くもなんともないモノである筈。 そこでパラグアイの土産として、もう少し普遍性の高いものをご紹介します。 それは、ラム酒。 と言っても当地でRonと言っても、中々理解されません。サトウキビの絞り汁を発酵させて蒸留するお酒は、ブラジルではカシャサ(Cachaça)と言って、全く同じ原料・製法なのに味が全然違います。この違いは、ラムが160Lから200Lサイズの一般的なサイズの樽に入れられて貯蔵されるのに対し、カシャサの場合な1万Lもの大きな樽やタンクで貯蔵されることから、樽の香移りが少なく、純粋な工業用アルコール或は甲種焼酎に近い味付けであると言えます。 で、パラグアイのラムですが、ここでは通称カニャ(Caña)と言われ、通常はずばりサトウキビの事を指す単語ですが、パラグアイでCañaと言えば、こうしたお酒を意味します。 しかも、かつての日本の焼酎の様に、Cañaは貧者の酒、と定義されていますが、先般開催された国際ラム品評会でパラグアイの大衆向けカニャ銘柄であるFortinが銅賞を受賞しました。 http://congresodelron.com/ 8年物のラム750mlが国際コンクール銅賞受賞記念のグラス付きでGs.16,500(約320円)とは信じられない安さ! http://www.fortin.com.py/ 因みに、同じ銅賞に輝いた日本でもお馴染みのハバナクラブ・セレクシオン・デ・マエストロは世界一酒の安い日本でも4,500円ですから、この酒が如何にお買い得かお分かり頂けるでしょう。 http://item.rakuten.co.jp/kawachi/8501110089852/ 物価が決して安くないパラグアイに於いて、驚異的な価格ですが、もともとFortinと言うのは昔の日本で言う焼酎の位置付けの飲み物で、労働者が飲む安酒というイメージの為に、地方に行ってもガソリンスタンドや路端の売店などでも購入可能です。 この受賞記事を読んで、色々なパラグアイ産Cañaを試しましたが、カリブ沿岸やペルーのラム酒と比べても遜色のない出来のモノが結構あることは驚きです。 マテ茶関連では飽き足らない左党のお客様、パラグアイにお運びの際は、是非カニャをお土産にどうぞ。 ところで、CañaはブラジルではCanaと表記されますが、これはスペイン語だと白髪という意味になり、スラングで監獄・警察と言った意味にもなるようです。飲み過ぎて警察や監獄のお世話になって一夜にして白髪に、ということにならないように気を付けましょう。
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