急落するアルゼンチンペソの実態をお知らせするにはアルゼンチンに出向かなければ、ということで、先週日曜日にブルガリアから友人が遊びに来てくれたもあって、東の街Ciudad del Esteからブラジル国境を越えてアルゼンチンのPuerto Iguazuに出向いてきました。当然、イグアスの滝観光の案内なので、景気や物価の調査はイマイチ出来ず。でも、国境にあるワイン卸のお店ではかなり格安にパタゴニア産ワインが買えましたし、ガソリンもかなり安く入れられました。しかし、Puerto Iguazuは年間150万人もの観光客が訪れる世界的な観光地であり、ここの動きだけでアルゼンチン経済を語るのは無理があります。
ということで、アルゼンチンの地盤沈下を検証する為に、今日改めて出向いたのがアスンシオンの川向こうにある人口約5万人の小さな街Clorindaです。
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クロリンダの中心部は拙宅から直線なら12㎞程度の所なんですが、パラグアイ川の対岸にあって、Remansoの橋を渡らないと行けない所なので、実際には44㎞の距離を一時間かけて出向く必要があります。
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パラグアイ川を跨ぐ橋、Remansoの橋は川幅の広い水たまり風のところに掛けられていますが、急流で橋桁が流されないようにとの土木工学的観点から選ばれた地形と思われます。
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しかも、国境では出国と入国の手続きが必要なので、国境の混み具合によってもう少し時間がかかります。
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クルマで国境を超えるのは簡単ですが、パスポートやパラグアイの身分証明書Cedulaの他に、クルマの所有証明書Cedula Verdeや自動車保険の証書Carta Verdeを提示する必要があります。
朝九時半に自宅を出て、約一時間をかけて出向くと、そこはアスンシオンの西側なのに1時間先行、既に正午近くになっていました。南米では土曜日は正午までのお店が多く、慌ててGoogleで検索した酒屋に行って見ると、なんとカード決済の機械が壊れているとのこと。
うろうろしながら見つけた超田舎風のスーパーに飛び込んでワインを探すと、なんとアスンシオンで一本2千円相当のRutiniが一本AR$545(=千円‼)で売られていたので3本ゲットしました。
https://www.google.com.py/maps/place/Casa+Santa+Rosa/@-25.2943431,-57.7189215,310m/data=!3m1!1e3!4m5!3m4!1s0x945d08c6bda177bf:0x9a9908e072cb7d11!8m2!3d-25.2942869!4d-57.7189158?hl=es-419
その後、先週のPuerto Iguazuのスタンドで満タンにしたガソリンが半分以下に減っていたのでYPF(アルゼンチンの国営石油会社)のスタンドで給油すると、オクタン価98の高級品が99円/ℓと、アスンシオンの二割安!
その後発見した大き目のスーパーでもビールやチーズを激安でゲットして帰ってきました。
アスンシオンに着任した3年前に初めてクロリンダを訪問した際は、まだ今の様な悲惨な経済状態に見舞われていなかったこともあり、むしろアルゼンチンからパラグアイに買い物に来る客が多く(品数は圧倒的にパラグアイの方が豊富)、土曜の午後だったこともあって街は閑散としていましたが、今回の訪問ではそれなりにお客さんが入っていたように感じました。(その分、パラグアイの買い物客が減っている訳です。)
アルゼンチンは先の予備選で現職のマクリ大統領が野党候補(前職のキルチュナー夫人を副大統領候補とするフェルナンデス候補)に大幅に差を付けられたことから、10月の大統領選挙を前にデフォルト(債務不履行)の噂も飛び交っており、益々経済が低迷する懸念があると伝えられています。
今週はチリからお客さんが来て、アスンシオンの物価の安さに驚いていましたが、通貨価値が急落したアルゼンチンはもっと相対的物価が安くなっていることをチリ人の友人にも教えてあげました。次回はクロリンダにも連れて行きます。
今日の言葉remansoは水たまりという意味ですが、un remanso de paz=安息の地という意味にも使われ、単に淀んだ水を表すのではなく、流れのある水が緩むという意味合いがあります。色々な国同士の緊張が高まって経済も停滞気味と言われていますが、そうした今こそ、流れの重要性を考えてみたいと思います。
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