Kaz Suzurida
パラグアイの言葉 puente(プエンテ)=橋 英:bridge 葡:ponte
5月14日はパラグアイの独立記念日、今年は1801年の独立から210年目の節目ということで、コロナ禍ではあるものの、朝から大統領府近くの大聖堂で記念のミサが執り行われました。GoogleのDoodleも独立記念日特別バージョン。
翌15日はパラグアイ独自の母の日です。
その記念の日にabc color紙の一面を飾ったのはアスンシオン市と対岸のVilla Hayes市を結ぶ目的で建設中のChaco’i大橋。
当初の計画では全長449mとされていた設計が変更されて603mになり、費用も18百万ドル(約20億円)の増額となったという報道です。
元の設計が甘かったという点では反省が必要ですが、何十年も使われる重要な社会インフラですから、しっかりとしたモノつくりをお願いしたいものです。 Chaco'i大橋の↑完成想像図 これが完成すると、対岸の地区は新アスンシオン市という新しい行政区になることも決まっており、アルゼンチン国境との交通が益々便利になりますので、今後の経済発展が進むことは確実です。 偶然、同じタイミングで大阪万博のインフラ整備としての地下鉄橋の建設工事費が40億円不足したと毎日新聞が報じています。こちらは将来カジノに転用することが予定されている様ですが、物流を大きく変えるものではなさそうです。 https://mainichi.jp/articles/20210513/k00/00m/040/322000c だいたいどんな案件も期中に費用の不足が生じるようです。東京オリンピックも当初は近年で最も簡素な大会にするのが目標だったはずですが、コロナ禍の影響を差し引いても期中の大幅なコスト増により、史上最も費用の掛かった大会に変貌しているのは周知のとおり。 https://www.bbc.com/japanese/55420746 因みにパラグアイは隣国ブラジルやアルゼンチンとの道路網の整備を進めており、このChaco'iの他にもイグアスの滝近くの二本目の橋、Puente Internacional de la Integraciónの建設も順調に進んでおり、慢性的に混雑していた友情の橋Puente de Amistadの交通事情の改善に寄与する見込みです。 https://www.google.co.jp/maps/place/Puente+Internacional+de+la+Integraci%C3%B3n/@-25.5895069,-54.599181,1244m/data=!3m1!1e3!4m8!1m2!2m1!1spuente+chaco+i+asuncion!3m4!1s0x94f691a356ef82df:0x32ea6ce713da4734!8m2!3d-25.5889156!4d-54.5938301 また、ブラジル大西洋岸からパラグアイを通ってアルゼンチン・チリ太平洋岸を結ぶ新しい道路、Ruta Bioceanicaの建設工事も順調に進んでおり、ブラジル側の国境にあるパラグアイ川に架けられる橋は、パラグアイ側の予算不足で工事が遅れている様ですが、ブラジル政府から強烈なプッシュがあって、現在対応している模様です。 同じくRuta Bioceanicaのアルゼンチン側Pozo Hondoにはピルコマヨ川を渡る橋が既に架かっていますが、これも横断道路の完成に向けて今後の増強が計画されています。 パラグアイに新しく架かる4つの橋が南米南部地域全体の物流の効率化につながる日が近づいていることに日本の皆さんも是非ご注目ください。