Kaz Suzurida
パラグアイの言葉 prohibir(プロイビール)=禁止する 英:prohibit 葡:proibir
米中で始まった貿易に関する悶着が日韓に飛び火して連日報道をにぎわせていますが、先週お伝えしたパラグアイとブラジルの自動車部品に課税する問題は、一旦は先送りとなってニュースも沈静化しています。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/11ab0e32ad4c983e.html
https://www.ultimahora.com/brasil-suspende-arancel-importaciones-autopartes-paraguayas-n2830435.html
一方で先週始まったパラグアイ最大のイベントである産業見本市EXPO2019会場への配車サービスの規制がアスンシオン市内で大きな紛争に発展しています。
これはEXPOが開催されるMariano Roque Alonzo市が期間中のUberとMUVという配車システムの運航を禁止したことに反発した配車側と、禁止を事前に陳情して実現した既存タクシー各社との確執が発展して、市内各地でタクシー運転手による道路封鎖が発生して交通渋滞を引き起こしたものです。
https://www.lanacion.com.py/pais/2019/07/05/expo-2019-mariano-roque-alonso-prohibe-muv-y-uber/
EXPOは娯楽の少ないと言われてきたアスンシオン周辺市民にとって年に一度のビッグイベントですが、同時に会場近くはいつも大渋滞が発生することでも有名です。MRA市が決定した配車システム禁止は、地元のタクシー業界からの要請を受けての措置とは言え、客待ちのウーバーやMUVの車が渋滞を劇化させるのを防ぐ意味もあるのだろうと善意に解釈したいところです。
日本でも中国資本が運営を開始してUberに対抗、国産サービスも出てきている配車システムですが、MUVというのはパラグアイ独自のアプリで、こうしたサービスが出て来ているところに、パラグアイの元気さを感じます。
一方、Mariano Roque Alonzo市とは何ぞや?とのご質問もあると思いますのでご説明します。
貿易交渉と言えば、6月末ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイで組成する南米南部経済共同体であるメルコスールと、EUとの間で自由貿易協定が締結されましたが、JETROからパラグアイに関する好意的なレポートが発表されているのでご紹介します。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/aa112732c1b3c30b.html
世の中なんとなく何でも禁止の方向に走っているイメージがありますが、むしろ自由化して前向きな関係を作る努力をしてほしいものです。