2016年12月3日
来る12月8日は日本では赤穂浪士討ち入りの日、或は真珠湾攻撃の日として記憶されていますが、パラグアイでは一年で最も重要な宗教行事Día de la Virgen de Caacupé、カアクペの聖母の日として祝日となります。
カアクペというのはアスンシオンの当方約50㎞に位置する小さな街で、先週ご紹介したラム作りのFortin酒造所のあるPiribebuyに行く通過点です。
この町は15世紀にイエズス会が布教に来た南米最古の教化地域の一つで、聖母マリアの像をマテの茂みの中の木に彫り付けたことで、ガラニ人がキリスト教を受け入れたとの言い伝えから、パラグアイ・カトリック教会の大聖堂Basilicaが建てられ、聖母マリアが祭られています。これはアルゼンチンのla Virgen de LujánやブラジルのNuestra Señora Aparecidaと同じで、何れの聖母も夫々の国のカトリック教徒の信仰の中心地として全国から信者を集めるだけでなく、ローマ法王が各国を訪問する際には必ず立ち寄ってミサを行う重要な聖地と位置づけられています。
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普段はこんな様子ですが、
https://www.youtube.com/watch?v=owrdh6dqkuc 📷 12月8日には全国からの巡礼者で大聖堂周辺は人で埋め尽くされます。
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偶々、昨日は用事があってCaacupeよりももっと東の方面に出掛けましたが、西の端アスンシオンと東の端Ciudad del Esteとを結ぶ国道2号線の沿道は多くの徒歩巡礼者を見かけました。
8日の祝祭日を迎える今週末からは、上の写真のように、側道も巡礼者で埋め尽くされる様で、こうした人々の空腹や喉の渇きを癒すために沿道には臨時の店舗や簡易トイレも沢山用意されていました。
ペルーでも復活祭を控えた2月末頃から3月にかけて、北部のPiuraから首都Limaの大聖堂まで千キロの道のりを十字架を担いで歩く巡礼者を何度も見かけましたが、今思うと曇天続きの南米西海岸の巡礼よりも直射日光が照り付け、或は昨日もそうでしたが猛烈な豪雨に見舞われるパラグアイの聖地巡礼は、距離は短い(と言っても数百キロ)ながら、大変な難行苦行の様に思われます。
でも、上の写真からも判る通り、巡礼者は簡単なリュックサックを背負い、手にテレレ(冷たいマテ茶)用のポットを持って、仲間同士でおしゃべりを楽しみながら歩いているように見受けられ、この明るさこそがペルーには無かったものだ、と感じ入った次第です。
ところで、巡礼ではありませんが、もっと距離の長いイベント、Dakarラリーが今回はアスンシオン起点で行われます。
年明けの1月2日にスタートして、二週間かけてボリビアのLa Paz経由アルゼンチンのブエノスアイレスまでの8千キロを二週間で走破するレースだそうです。
年始はアスンシオンには居ない予定なので、実物を見られないのが残念ですが、開催期間中はテレビや新聞も大きく取り上げるでしょうから、リアルタイムで応援するのを楽しみにしています。
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