2017年4月29日
GWに突入した日本と同様、アスンシオンでも映画館ではクルマと強盗を描いた大作Fast & Furios(邦題ではワイルド・スピード)シリーズの最新作が多くの観客を引き寄せていますが、今週初めの月曜未明、東部の都市Ciudad del Esteで、この映画を地て行くような事件が発生しました。
http://www.ultimahora.com/gavilla-sitia-cde-y-desata-el-infierno-llevarse-unos-usd-40-millones-n1080747.html
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報道によると、約20人のブラジル犯罪グループが、警備会社Prosegurの金庫のある事務所を襲い、1172万ドル(約130億円)を強奪したもので、犯人グループは標的の事務所の周辺で軍事用の撒きビシを撒いたり、クルマを燃やして道路を封鎖して警察車両の進入を防ぎ、爆薬を使って事務所を吹飛ばして現金を強奪したようです。
当初、犯人グループの人数が60人と言われたり、盗まれた金額が4000万ドルと報道されていましたが、木曜には被害総額が確定し、いずれにしてもこの事件がパラグアイ史上最大の窃盗事件であったとして、改めて大きく取り上げられた訳です。
2014年にサンパウロに着任した時には、銀行爆破のニュースが毎週のように月曜に報じられていたと記憶しますが、考えてみれば平日でなく、最も人気の少ない月曜未明を狙うのは、盗む側にも目撃者・巻き添えを最小限に止めたいという配慮があるのでしょうか。
今回のパラグアイの事件は銀行でなく警備会社が襲われたのですが、今までも御紹介してきたように、ブラジルとの国境付近は非合法な取引の温床となっていて、銀行には預けられないドル現金が警備会社に預託されるそうで、そうした事情も知り尽くしたプロの犯行の凄まじさを目の当たりにして、事実は映画よりも凄い!と妙に感心した次第です。
と、悪いニュースばかりでは、パラグアイの良さを伝えることにはなりません。
来週月曜はメーデー、Dia del trabajador(労働者の日)ですから、労働に関する良いニュース「Paraguay con 27% más de inserción laboral desde 2013」(2013年から27%の雇用機会増加)。
先週、カルテス大統領が再選を断念したことをお伝えしましたが、この政権に変わってから仕事が増え、仕事を紹介するイベントも増加しているとの報道です。
http://www.lanacion.com.py/negocios/2017/04/28/paraguay-con-27-mas-de-insercion-laboral-desde-2013/ 失業率の推移
この表では、判りにくいかも知れませんが、確かにこの数年でパラグアイに進出した外国企業も多く、国内の建設ラッシュや道路などのインフラ整備が急ピッチで進んでいますので、雇用の機会は確実に増えています。ただ、工事関連は一過性のモノも多いので、如何に安定した職を導入するか?が今後の課題になってきます。
明後日のメーデーは、ベネズエラでまた大規模な抗議行動が予定されていますが、ベネズエラ政府の非民主的姿勢を問題視し続けてきたパラグアイでは、明日日曜にベネズエラの民主化を祈ってミサを行うとの記事が掲載されました。
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日本では北朝鮮のミサイル問題が大きなニュースですが、南米では一番北のベネズエラの民主化への動きが各国にとっても大きなテーマとして取り上げられています。4月の一カ月だけで毎日のように抗議行動が繰り返され、パラグアイの次期大統領戦況への意思決定にも影響を及ぼしたと思われる数回にわたる政府と反対派の衝突で、29人もの死者を出した訳ですが、民主化回復まで、もう少しのところまで来ていますので、大勢の仲間の生活が正常化するよう、祈りに加わりたいと思います。
ところで、先週のTierraに関し、tierra roja赤色土壌の分布地域を国の南西部と書きましたが、南東部の間違いです。以前もEste市を西と書いたことがあり、西端のアスンシオンに居るので、どうも無意識に西と書いてしまうようです。お詫びして訂正します。
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