日本では2024年に紙幣が刷新されるようですが、昨年8月に大幅な切り下げを行って新紙幣を発行したベネズエラの紙幣印刷を請け負っている英国の会社De La Rueがベネズエラ中央銀行から紙幣印刷代約22億ドルが未収であるとのニュースが流れました。
https://www.el-carabobeno.com/deuda-del-bcv-por-22-millones-afecta-a-empresa-inglesa-que-le-imprime-los-billetes/
https://www.delarue.com/
ベネズエラではガソリンの生産に必要な軽質油が米国からの制裁で入手できなくなった結果、国内のガソリンの流通量が激減し、間もなく入手不可能になるとの観測が流れていますが、紙幣の流通も止まることになると、いよいよ国家として破産を宣言せざるを得ない状況に追いやられるでしょう。
で、このニュースからパラグアイの紙幣について振り返ってみました。
現在のパラグアイの通貨は先住民族の名前を冠したGuarani(ガラニ)で、1944年に発行されて以降75年間同じ単位を維持している南米唯一最古の貨幣です。現在の日本円の流通が開始されたのは1945年ですから、日本円よりも古い訳です。
📷
パラグアイが誇る世界的ギター作曲家・奏者のMangoréことAgustín Pío Barriosの肖像画を配した50,000ガラニ紙幣
パラグアイで流通している紙幣は5種類。(Gs.100,000=約1,800円、Gs.50,000=約900円、Gs.10,000=約180円、Gs.5,000=90円、Gs.2,000=36円) 随分少額という印象を持たれますが、周辺国と比べて相対的に物価の安いパラグアイではこの五種類と4種類の硬貨(Gs.50、100、500、1,000)で十分です。
因みにブラジルの最高紙幣が100レアル=約2,800円、アルゼンチン1,000ペソ=約2,400円、チリ20,000ペソ=約3,000円、ペルー100ソル=約3,300(200ソル紙幣もありますが、滅多に見かけません)、コロンビア100,000ペソ=約3,200円なので、南米諸国の最高紙幣は二千円から三千円のレンジに収まり、物価の目安にもなりますので参考にしてください。
現在パラグアイ中銀がどこの国のどの会社に紙幣印刷を委託しているかは不明ですが、少額紙幣であるGs.2,000とGs.5,000は樹脂製で、Gs.10,000以上の紙幣は紙で作られています。
日銀が自前で紙幣を印刷している日本では、外国の民間会社に印刷を委託すること自体、信じられないと思われがちですが、世界中で中央銀行が自前の印刷設備で製造している国の方が稀有なのです。
米国の紙幣を印刷するCrane社のホームページ
https://www.cranecurrency.com/
おカネの電子化が進む現在、国が保証する自国通貨をいつまで維持できるか?は一般に脆弱と言われる南米諸国の例を見ていると想像しやすいかも知れません。崩壊寸前のベネズエラ偽政権が発行した仮想通過Petroは全く機能していません。現在のところ、チリ・ペソ、コロンビア・ペソ、ペルー・ソルとパラグアイ・ガラニが通過の安定性では優良国と思われます。
さて、パラグアイを紹介する最新版のビデオクリップがYoutubeに載っていましたのでご紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=tVFP4Qb7S9g
全編スペイン語(一部ガラニ語)ですが、16分で今のパラグアイを感じることのできる良い作品です。
YouTube 動画 Bienvenidos a PARAGUAY la Tierra Guaraní | Gajes Del YouTuber をプレビュー
📷📷
Bienvenidos a PARAGUAY la Tierra Guaraní | Gajes Del YouTuber
Kaz Suzurida
Comments