2017年4月2日
今週はアスンシオンで初めての米州開発銀行(Banco Interamericano de Desarrollo, Inter-American Development Bank)と下部機関の米州投資公社CII(Inter-American Investment Corporation)の年次総会が開催されました。
米州開発銀行というのは、1959年に設立された銀行で、その名の通り米州の開発に資する貸付を目的として、米国をはじめとする先進各国が出資しており、日本もアジアで初めて1976年から参加し、現在も理事国として重要な地位を占める組織です。
パラグアイは南米南部共同市場MercoSurの中心国で、また国債サッカー連盟FIFAの南米本部があるので、南米関連の国際会議は時々開催されますが、今回のBID年次総会は滅多に無い大規模なもので、市内のホテルはいずれもほぼ満室となりました。
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http://www.lanacion.com.py/politica/2017/04/01/competitividad-e-innovacion-son-componentes-intimos-del-desarrollo/
その総会に関連した会合に参加してみましたが、パラグアイ政府は大統領以下全閣僚が出席して、参加者たちに、パラグアイ発展の現状と、継続的な投資の必要性を真剣に説いていました。
この会合が開催された同じタイミングで、カルテス大統領の再選を可能にする憲法改正案を赤党こと与党コロラド党(Asociación Nacional Republicana、ANR-PC)が上院で採決した結果、反対する青党こと野党真正急進自由党(Partido Liberal Radical Auténtico、PLRA)が猛反発し、青党支持者達が国会に押しかけて抗議デモを行い、一部が暴徒化して国会玄関に放火した為に大変な騒乱状態に陥りました。IDB総会では、安全な投資先としてのパラグアイを強調していただけに、世界的に報じられたこの暴力事件は政府の努力に大きなダメージを与える結果になりました。
また、この騒乱の最中に青党本部で25歳の青年部幹部が治安部隊に殺害される事件が発生し、この問題は今後も大きな社会問題として議論されることになりそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3123635
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セントロ地区での騒乱の結果、自動車が放火された様子が報じられました。
ブラジルでは日常茶飯事の自動車放火もパラグアイでは一面を賑わす大事件、逆に観ればそれだけ治安が良いということなのですが。
エクアドルでは2007年から三選されているコレア大統領が遂に退陣し、後任を選ぶ選挙が行われましたが、コレア氏が推す元副大統領のレニン・モレノ氏の優勢が伝えられています。
カルテス大統領は強硬に憲法改正を目指すのでなく、コレア氏同様に身内を擁立して次を見据える戦略に切り替える方が効果的かも知れません。
ところで、先週末の日曜日から、パラグアイは夏時間が終わって通常の時間に戻ったために、日本との時差は13時間となりました。稀勢の里の劇的な優勝で盛り上がっている相撲ですが、5月場所からはライブで観戦するには朝4時前に起きなければならないことになり、悩ましい限りです。
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