2016年6月4日
先週一旦日本に帰国してからパラグアイに赴任する予定でしたが、ビザの交付を受けていない状態での赴任は、という判断がブラジル出発直前になされた為に、急遽行き先が変更になって、いきなりアスンシオンに参りました。
形式的にはブラジルからの出張ということになっていますが、新任地の業務を引き受ける為の引継ぎを行って、6月末で定年退職される先輩をお見送りしたあとは、実質的にはパラグアイ事務所に就任する形となります。
asunciónというのは、普通名詞では即位とか就任、引き受けという意味に用いられるもので、実際にビザが給付されるのは8月末と想定されますので、それまでは正式には即位も就任も出来ないながら、前任が不在となるために仮就任をするという、実にヘンテコリンな形で新任地にやってきた格好です。
とは言え、サンパウロに比べて交通量も少なめで、空気も良く、人口も少ないのでノンビリした雰囲気で、過ごし易いように思われます。特に緑の多さは特筆に値します。カラカスが世界一緑豊かな首都だと思っていましたが、明らかにアスンシオンが上を行っています。
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と言っても、そもそもパラグアイが何処にあるのかご存じない方が殆どでしょうから、以前ウルグアイをご紹介した際に使った白地図をもう一度付記しますので、位置関係を確認してみて下さい。
これでご理解いただいた通り、パラグアイは南米の中心にあって、正に南米の臍に当たる中核国家です。
歴史的にも南米で最も古い都市の一つがアスンシオンで、1536年にブエノスアイレスが出来たものの、先住民の攻撃にあって街を放棄、内陸に逃げて1537年に作られたのがアスンシオンであり、ブエノスアイレスの再建が1580年であることから、南米南部で最古の都市と言われています。(南米大陸最古のヨーロッパ人都市は1523年に出来たベネズエラのクマナ、東海岸には1534年に現エクアドルのグアヤキルやキトが出来ているので、飽く迄南米南部という認識ですが、南米大陸最初の鉄道や鋼鉄製の船舶はアスンシオンで作られていますので、南米大陸最古の文明都市と定義できます。
アスンシオンに絶対冠詞Laを付けると、聖母の被昇天と言う意味になり、カトリック教徒にとって重要な意味を持つ日となります。1534年にイエズス会が結成され、1537年にアスンシオン市が出来たのも、8月15日のAsuncionの日、とされています。
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街の様子や国のあらましはこれから追々ご紹介しますが、先ずは首都アスンシオンの命名の背景がご理解頂けましたでしょうか?
因みにサンパウロは聖人パウロ、サルバドールは救世主、ボリビアのラパスは平和、ロスアンゼルスは天使達、と言った風に、キリスト教に基づく名前を持つ都市は米州には沢山あります。
もう一つ、アスンシオンはこれまで住んでいた千葉市やカラカス、サンパウロと姉妹都市関係を結んでおり、そういう意味でも因縁めいたものを感じさせます。(リマは入っていませんが。)
先週末は雨でしたが、今週末は曇りとの天気予報が外れて今日も良い天気。気温は朝方9℃でしたが、正午の今は19℃、非常に過ごし易いのも魅力の一つ。来週からのレポートをお楽しみに!
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