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  • 執筆者の写真Kaz Suzurida

パラグアイの言葉 arancel(アランセル)=関税率 英:tariff 葡:tarifa

今朝のパラグアイは各地で今年一番の冷え込み、あちこちで初霜が観測され、農作物への影響懸念の声も出ています。(アスンシオンは2℃でした。)

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しかし、今週初めにブラジルからもっと大きな冷え込み懸念をもたらす発表が流れて来て、経済界には大寒波が吹き荒れています。

タリフマンこと米国トランプ氏のファンを自認するブラジルのボルソナル大統領が、これまで無税であったパラグアイからの自動車部品に16%の関税率を適用すると官報で公表したのです。

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現在パラグアイには日本のフジクラ・矢崎・住友電装のワイヤーハーネス御三家に加え、韓国のTHN、ドイツのLeoniが進出しており、更にドイツの大手Kromberg & Schubertが500万ドルを投じて工場を新設する発表を行ったばかりです。更に、世界最大手の一つであるドイツBoschも進出に興味を持っているとの報道もあって、安心安全な生産国パラグアイのイメージを更に引き上げていた矢先に出てきたこのニュース。


実際にブラジル向けパラグアイ製部品に16%の税率が適用されると、当然ながら部品各社はパラグアイで作ることの意義を失いますので、撤退を含めた大幅な戦略の転換を強いられることになります。


何故この時期にブラジルは斯様な発表を行ったか?というと、実は本件は数年越しで伯・パ両国で討議されていたものなのです。


本来ならばお互いに無税で品物が行き来できるはずのメルコスル域内協定の対象品目の中に自動車部品が含まれていなかったことが原因で、自国にあった工場がパラグアイに移転して多くの失業者を出したブラジルが、報復としてパラグアイ製の部品に関税を課す話が、これまでも何度も出ては消えして今日に至っていました。


パラグアイ製の部品の8割以上はブラジルの完成車メーカーが使用しますので、パラグアイ製部品の値段が上がることはブラジル製完成車のコストを押し上げ、ブラジルの消費者にとっても不利な話になる筈なのですが、国内消費の冷え込みで完成車の販売台数が伸び悩むブラジルの自動車メーカー(日本・米国・ドイツ・イタリア・フランス等世界中の大手メーカーはブラジルに工場を持っていますので、実質的に世界の各社)の完成車販売を後押しする為に、中古車輸入を容認しているパラグアイに圧力をかけ、中古車の輸入を禁止させてそこにブラジル製の完成車をはめ込もうという意図が背景にあります。


勿論パラグアイ政府としても、短期間の間に最大の輸出産業に成長し、1万人規模の直接雇用を産んでいる自動車部品産業にダメージを与えないためには、ブラジルからの要求を容れて、中古車輸入を禁止すれば話は簡単に見えるのですが、今や南米でボリビアと並んで数少ない中古車輸入容認国となっているパラグアイには、多くの中古車業者が存在し、彼らが徒党を組んで政府に猛烈な圧力をかけています。

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この記事にある通り、輸入中古車販売組合は「中古車輸入は50万人の雇用を産んでいると同時に年間554百万ドルの税金を国庫に納入している」と主張し、「マキラ加工貿易制度を活用して僅か1万人の雇用と300百万ドルの経済効果しか産んでいない自動車部品業界を保護する理由にはならない」とブラジルからの圧力を厳しく批判しています。(組合の主張は明らかに誇張であり、年間の中古車販売台数を10万台と・平均販売価格を2万ドルと見積もっても納税額は200百万ドル、実際のへいきん単価は1万ドル程度、販売台数も5万台との報道もありますので、実際の数字を10倍にしていると思われます。50万人の雇用も出展不明、統計数字を鵜呑みにするのは危険という見本のような話です。)


本来であれば、斯かる重要案件は政府の最重要課題として取り上げてこなければならなかったところ、現商工大臣は自動車関係者との会合を遠ざけ、本件への関心を示してきませんでした。このことを、前任の商工大臣が水曜日のインタビューで指摘したところ、現職大臣は「本件は前政権の怠慢の賜物であり、自分は引継ぎをうけていない」という趣旨のトンデモ発言を繰り出しました。

現職の重鎮の発言としては今日の気温以下の何ともお寒い話ですが、かくなる上は本件の打破に向けて本腰を入れて取り組み、なんとか課税を逃れてパラグアイへの投資を増やすための熱い努力を見せてほしいものです。

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